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美人のもと

コード

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第95回】 2011年3月28日
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 私たちがコードに触れる機会はどんどん増えている。電気製品に関わるコードだ。電源だけでなく、電話、パソコン、ビデオやオーディオ機器など接続するモノがあふれている。一日に一度もコードに触れない日はほとんどない。

 しかし、いちいちコードに注目している人は少ない。そもそもその存在が地味である。電気製品の広告でコードを自慢するものなど見たことがないし、それを基準に買う人もまずいない。

 美人はコードを上手に扱う。地味なコードといい付き合い方をしている。コードをきれいにしているのだ。

 そもそもコードは汚れやすい使われ方をすることが多い。床に触れることが多い。どうしても汚れる。使っているうちにねじれる。ねじれ癖がつくとどんどんねじれがひどくなる。そして地味な場所に置かれているために、そんな汚れやねじれもいちいち気にされない。毎日コードを磨いている人も少ない。携帯電話をデコレーションする人も充電器やコードには無頓着であることが多
い。

 しかし、時々その汚れやねじれを意識したい。簡単にもとに戻る。部屋や机の上で汚いままクネクネさせているのもかわいそうだ。

 きれいに束ねたり、置き方を工夫したりしているなと思える人がいる。美人だ。日頃注目しないところにも気を使っている。

 「美人のもと」が減っている人の周辺を見てみるとたいてい悲しいコードが見つかる。白かったきれいなコードがグレーになっていたり、変なシミがついていたり。そして、そういう人に共通しているのが、片方だけ接続されたままのコードが無造作においてあることだ。

 シュルシュルと本体に収納されるはずのコードが出たままの掃除機。ねじれを直せばいいだけなのに。

 鏡の前のドライヤー。髪は整ったが、コードは乱れたまま。

 携帯電話の充電用コードがそのまま。充電が終わったら両方抜こうよ。携帯電話に置いていかれて泣いているようだ。

 最近はACアダプターがついたコードも多くなり、どうしてもコードが無造作に置かれやすい。だからこそ、時々注目したい。

 いつも無意識でいると、たまにコードに足をとられ、転びそうになったり、重要な瞬間に電源が落ちたりというトラブルが起きる。

 置き去りにされたコードは「美人のもと」を奪うのかもしれない。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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