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美人のもと

ホームパーティ

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第167回】 2014年1月7日
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 メールが発達し、お手紙やハガキを見る機会が減った。そんな中、引越のおしらせは時々やってくる。いろんな事情があるのだろうが、新居には楽しいことがつまっていそうだ。そして、引越のおしらせには、たいてい「遊びに来てください」 「お寄りください」等のお誘いがある。だが、それは常套句になっているため、本当に来てほしいかどうかはわからないものだ。注意が必要だ。

 新居に限らず、本当に遊びにいきたくなる家というのがある。他人の家なのに落ち着く。楽しく、気持いい時間が過ごせる場所だ。それは自分だけの感覚ではなく、皆が集まりたくなる何かがある。ホームパーティのようなことが頻繁に開催される。その家が特別広かったり、豪華だったりするわけではないのに、居心地がいいのだ。

 その家の住民は美人である。居心地のいい家は「美人のもと」をつくるのだろう。

 気軽に行ける場所であることが大事だ。至れり尽くせりで、おいしいものもたくさんあって、部屋も美しいというのは、どうも「やりすぎ」に感じて、落ち着かない。直前までの苦労が見えてしまって、恐縮する。そして、残念なことにそういう「やりすぎ」な家には、どこか失敗が見えるのだ。料理の失敗、割れた食器、他と比べて極端に汚い場所。間に合わず、焦っていた感じが見えるのだ。焦って失敗をつくっている瞬間は「美人のもと」が減っていく。

 あれこれ一人でやろうとしないことだ。いろんなことを一度にやろうとすると、結局あちこちで失敗が起きる。そのリカバーをしている間に別の失敗が発生する。そういう失敗は、他人に見せたくないプライバシーを露呈することになる。

 他人の家にある「見えないプライベートエリア」の境界が崩壊し、見せたくないものまで見せてしまう。

 プライベートエリアがなんとなくわかる場づくり。それは自分でできることを普通にやること。パーティなどの集いでちょっとした喜びを与えるのは一つでいい。そこの家に行きたいのは、普段のままのその人を見たいし、その方が自分も落ち着くからだ。むしろ友達を呼んで、その人達と一緒にパーティの場をつくっていく気持を持つことのほうが大事だ。

 そのための第一歩はまず他人に招かれた時に、そこで動くことだ。ずっとお客さんのまま動かないのではなく、一緒に場をつくる気持を持つ。すると、自分の家での動き方も見えてくる。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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