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日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?
【第6回】 2017年2月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
村上尚己

日本のメディアが「当たらない予測を垂れ流すエコノミスト」の意見を好む理由
「わかりやすい経済解説」に潜むワナ

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日本の経済メディアには、繰り返し繰り返し「過剰な悲観論」が登場するが、振り返ってみると、その経済予測が当たったためしはほとんどない。にもかかわらず、メディアは「予測を外した人物」のオピニオンを取り上げることを止めようとしない。

「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏は、国内アナリストたちとメディアとの間にある種の「共犯関係」が成立しているのだと指摘する。同氏の注目の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

メディアと専門家の「共犯関係」

前回までの内容からもわかるとおり、じつは日本のメディアに登場するアナリストの言説を鵜呑みにしていると、損をすることはあっても、投資リターンを高めることにはあまり役立たない。今回のトランプ相場の到来だけでなく、2012年末からのアベノミクス相場への大転換すら指摘できなかったアナリストがほとんどである。予測を何度外しても、相変わらず珍説を披露するのをやめない人も散見される。

それでもなお、大新聞やテレビは彼らに意見を聞くのをやめようとしない。常識的に考えれば、ここまで精度の低い予測を垂れ流す人間には誰も耳を貸さなくなりそうなものであるが、なぜかそうはならない。これが日本の経済アナリストと経済メディアに見られる、独自の奇妙な構造である。そこで今回は、下記の通説を検討してみることにしよう。

[通説]「著名人の経済解説なら、わかりやすくて信頼できる」

私が知る限り、米大統領選でドル安・円高に動くシナリオをメインに据えていたプロフェッショナルの海外投資家はほとんどいなかった。彼らは基本的な経済理論を踏まえたうえで、それが金融市場の価格形成にどう影響するかを考えている。トランプ相場が「教科書どおりの値動きでしかない」と私が語る理由もここにある。彼らが突飛な予測をすることはほとんどないのだ。

なぜ日本では、経済にまつわる分析や報道が正常に機能しないのだろうか? 以前の連載で触れた「円高シンドローム」のような歴史的経緯も軽視できないが、もう一つ考えられるのが、彼らが所属している組織の構造的要因である。

※参考
トランプ「円安批判」に戦慄する日本人の「歴史的トラウマ」とは?
―「円高シンドローム患者」の過剰反応に踊らされてはならない
http://diamond.jp/articles/-/116539

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村上尚己(むらかみ・なおき)

アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト
1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。
第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(原田泰・片岡剛士・吉松崇[編著]、中央経済社)がある。また、東洋経済オンラインにて「インフレが日本を救う」を連載中。


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