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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

トヨタ・ホンダ・日産それぞれの「生存戦略」は奏功するか

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第48回】 2017年2月10日
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スズキとの提携でさらに
「グループ拡大」を進めるトヨタ

 トヨタとスズキは2月6日、業務提携に向けた覚書を締結したことを発表した。両社はこれにより「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」などに関して提携内容を詰めていくことになる。また、両社とも資本提携に踏み込むことも検討しており、スズキはトヨタグループの一員として先進技術対応への生き残りの道を確保することになった。

Photo:TOYOTA

 トヨタは、昨年4月に製品群別の7カンパニー制度を発足させ、8月にダイハツ工業を完全子会社化する一方で、10月にスズキとの提携検討を発表。2009年6月に社長就任から今年で8年目を迎えた豊田章男体制下、あらゆる事業活動を通じて環境保全に努めつつ、サスティナブル(持続可能な)・モビリティを重要視する方向性を明確に打ち出してきた。

 スズキのトヨタグループ入りは、「将来技術の開発に懸念を抱えるスズキから求めた提携関係であるが、トヨタが熱意を持って協議に応じてくれた」(鈴木修・スズキ会長)のが実情だ。

 これにより、トヨタグループとしての自動車メーカーは連結対象のダイハツ・日野に加え、資本提携にある富士重工業(スバル)といすゞ、包括業務提携のマツダとスズキの7社となり、まさに日本連合といった観がある。トヨタが目指すものは、先進技術に向けて共感する仲間作り、ルール作りということだろう。

ホンダは「自前主義」へのこだわりを
捨て「異業種協業」へ

 一方、昨年12月に日産が三菱自動車を傘下に収めたことで、孤立化を問われたホンダがここにきて「自前主義」へのこだわりを捨てる動きを一気に進めてきた。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

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