スズキとの提携でさらに
「グループ拡大」を進めるトヨタ
トヨタとスズキは2月6日、業務提携に向けた覚書を締結したことを発表した。両社はこれにより「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」などに関して提携内容を詰めていくことになる。また、両社とも資本提携に踏み込むことも検討しており、スズキはトヨタグループの一員として先進技術対応への生き残りの道を確保することになった。
トヨタは、昨年4月に製品群別の7カンパニー制度を発足させ、8月にダイハツ工業を完全子会社化する一方で、10月にスズキとの提携検討を発表。2009年6月に社長就任から今年で8年目を迎えた豊田章男体制下、あらゆる事業活動を通じて環境保全に努めつつ、サスティナブル(持続可能な)・モビリティを重要視する方向性を明確に打ち出してきた。
スズキのトヨタグループ入りは、「将来技術の開発に懸念を抱えるスズキから求めた提携関係であるが、トヨタが熱意を持って協議に応じてくれた」(鈴木修・スズキ会長)のが実情だ。
これにより、トヨタグループとしての自動車メーカーは連結対象のダイハツ・日野に加え、資本提携にある富士重工業(スバル)といすゞ、包括業務提携のマツダとスズキの7社となり、まさに日本連合といった観がある。トヨタが目指すものは、先進技術に向けて共感する仲間作り、ルール作りということだろう。
ホンダは「自前主義」へのこだわりを
捨て「異業種協業」へ
一方、昨年12月に日産が三菱自動車を傘下に収めたことで、孤立化を問われたホンダがここにきて「自前主義」へのこだわりを捨てる動きを一気に進めてきた。