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トランプ政権と日本経済、短期は楽観、中長期はリスク山積

大和総研・熊谷亮丸チーフエコノミストインタビュー

「週刊ダイヤモンド」編集委員・原英次郎
2017年2月10日
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Photo:Reuters/AFLO

米国のトランプ新大統領は、就任直後からTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を正式に決定、自動車の対米輸出も問題視するなど、保護主義的な姿勢を露わにしている。これまでのルールをチェンジしようとするトランプ政権の登場によって、経済の先行きにも「不確実性」が高まった。そうした状況下にあって、トランプ政権の経済政策は日本経済どのような影響を与えるのか。大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏とエコノミストたちが緊急出版した『トランプ政権で日本経済はこうなる』(日経プレミアシリーズ)は、多くのヒントを与えてくれる。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集委員 原 英次郎)

「アンカリング効果」を駆使する
トランプ大統領の交渉術

──第2次世界大戦後、曲がりなりにも国際経済の基本ルールは自由貿易でした。トランプ政権の誕生や英国のBREXIT(英国のEU離脱)はどのような意味を持つのでしょうか。ルールの大転換の時代に入ったのでしょうか。

 現在、第2次世界大戦後の自由貿易体制は大きな曲がり角を迎えています。欧州ではBREXITを受けて、他国が離脱の連鎖を起こす可能性が生じており、今後「欧州統合」に向けた取り組みが頓挫し、「ユーロ」が崩壊することなどを受けて、世界貿易が収縮するリスクがある点に注意が必要です。こうした中、一部で自由貿易の終焉を危惧する声が聞かれます。トランプ政権の誕生を受けて、世界経済の潮流が自由貿易から保護貿易へと進路を変える可能性すら生じています。

 トランプ大統領の就任までは、実際に大統領に就任すれば「選挙モード」から「統治モード」へと移行し、米国の首を絞めかねない過度な保護貿易主義に傾斜することはないと考えられていました。しかし、大統領就任後の強硬な言動を勘案すると、世界経済のテールリスク(確率は低いが発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク)として自由貿易の終焉という最悪シナリオについても慎重に見極めることが必要だと思います。

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