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知っておきたい「災害時」医療費の特別措置
被災者はどこまで無料で医療を受けられるか

早川幸子 [フリーライター]
2011年4月7日
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 東日本大震災の発生から、まもなく1カ月を迎えようとしている。

 今回の震災は、マグニチュード9.0という史上最大の地震が発生し、東日本の太平洋沿岸一帯が大津波に襲われた。被災地域が広範囲に渡ったことから、いまだ十分な支援が行き届かずに厳しい避難所生活を続けている人も多いだろう。こうした不自由な暮らしの中で、心配なのは被災者の健康状態だ。

 津波や地震によるケガや病気だけではなく、慣れない避難所生活で持病を悪化させたり、インフルエンザなどの感染症などで体調を崩す人も多くなる。また、被災から時間が経過するとともに心理的な不安を訴える人も増えてくるため、災害時ほど医療は必要になる。

災害時は保険証や所持金がなくても
特別措置として医療が受けられる

 日本の医療制度では、自営業者は国民健康保険、おもに中小企業の従業員は協会けんぽ、おもに大企業の従業員は健保組合、公務員は共済組合など、職業に応じて加入する健康保険がわかれている。

 私たちが病院や診療所で診察や手術、入院などをすると、その医療機関はかかった医療費の7割を患者が加入している健康保険に請求する。そのおかげで、患者は残りの3割を自己負担すればよいという仕組みになっている(負担割合は70歳未満の場合)。病院や診療所で最初に健康保険証の提示を求められるのは、その患者の医療費の請求先を確認するためなのだ。

 旅先や突然の事故などで保険証を持たずに医療機関に行った場合は、いったん医療費の全額を患者が立て替えなければならず、あとで勤務先などを通じて健康保険から7割を払い戻してもらう手続きをとることになる。

 しかし、今回の震災では、突然の大津波から逃れるために、着のみ着のまま逃げ出した人も多い。当然のことながら、病院にかかるために必要な健康保険証などを持ち出す暇もなかったはずだ。

 こうした災害時には医療機関の受診にも特別措置がとられ、健康保険証や手持ちのお金がなくても医療は受けられるので、体調の悪い人はお金のことは気にせずに医療機関を受診してほしい。

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


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