あなたの健康保険にはある?ない?医療費で“勝ち組”になれる「漢字4文字」の仕組みとは写真はイメージです Photo:PIXTA

加入している健康保険の保障内容について、詳しく調べたことがあるだろうか。なかには信じられないほど“手厚い”組合独自の保障を上乗せしている保険もある。『医療費の裏ワザと落とし穴』296回では、具体例を挙げながら、その仕組みについて解説する。(フリーライター 早川幸子)

事業所の規模によって
「被用者保険」は2つに大別

 日本では、年齢や性別、国籍に関係なく、この国で暮らす全ての人に、公的な医療保険に加入することを義務づけ、病気やケガをした時に少ない自己負担で医療を受けられる体制をとっている。

 加入先は職業や年齢によって異なり、75歳未満で、企業や団体などに雇用されている労働者は被用者保険に加入する。そのなかでも、民間の事業所に勤める労働者が加入するのが健康保険で、事業所の規模によって次の2つに大別されている。

(1) 全国健康保険協会(協会けんぽ)
独自の組合を持たない事業所の労働者が加入する健康保険の全国組織。協会けんぽの前身は、国が運営していた政府管掌健康保険(政管健保)で、主に中小企業の従業員と、その扶養家族が加入する

(2) 組合管掌健康保険(組合健保)
従業員数700人以上の事業所が、国の認可を受けて独自に運営している健康保険。企業単体だけではなく、出版業や印刷業、外食産業など、同じ業種の複数の事業所が集まって共同で運営しているケースもある。主に大企業の従業員と、その扶養家族が加入する

 健康保険には、療養の給付や高額療養費など医療費に関する給付のほかに、病気やケガによる休業中の所得を補償してくれる傷病手当金、妊娠・出産による休業を補償する出産手当金がある。この2つの給付は自営業者などが加入する国民健康保険にはない。被用者保険の被保険者だけがもらえる給付で、自営業者に比べると充実した保障が用意されている。

 さらに(2)の組合健保には、法律で決められた給付(法定給付)に加えて、その組合独自の保障を上乗せする「付加給付」を行っているところもある。全ての組合が付加給付を行っているわけではないが、加入している健康保険に付加給付があれば手厚い保障を受けられる。

 なかには、高額療養費の自己負担限度額が、収入に関係なく2万円などと、かなり充実した給付を行っている組合もある。今回は付加給付について詳しくみていきたい。