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若い人ほど知ってほしい、日本のお金が働かないワケ
【第2回】 2011年4月13日
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上阪 徹 [ライター]

銀行や郵便局に預けたお金は
国債の購入や公共事業に流れている

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前回は、預金金利の話から始めて、日本では個人のお金が虐げられているのでないか、その背景は何か、を考えてみた。今回は、銀行や郵便局に預けた個人のお金が、どのように使われているのかを見ながら、国の借金と個人のお金のいびつな関係を明らかにしたい。

 私たちが自分のお金を銀行や郵便局に預ける。そのお金はどのように使われているのだろうか。

 松本さんが、こうした個人のお金について、最初に疑問を持ったのは、マネックスを創業する前、投資銀行のゴールドマン・サックスにいた頃、バブル崩壊後に不良債権を売買するビジネスを手がけたときのことだ。

 不良債権は、たしかに銀行にとっては不良の債権だった。けれども、銀行にとっての〝不良〟は、松本さんにとっては〝不良〟ではなかった。たとえば、担保になっていた土地は、担保価値以上の融資が行われていた。だからこそ問題だったのだ。だが、実際には、その土地の価値が市場価値でゼロになったわけではなかった。

 松本さんは、買い取った後にマーケットで売り出す。破格の値段で買った土地が、通常の取引価格で売れた。この売却が大きな利益を出すことになる。

 そして、このとき、意外な発見をすることになる。

 「銀行から買うわけですから、当然、銀行がどういうものを持っているか見にいく必要があるわけですね。でも、実はそれまで僕は、銀行のバランスシートなんて、詳しく見たことがありませんでした」

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    上阪 徹 [ライター]

    1966年、兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。アパレル メーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、95 年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、 雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)シリーズ、『我らクレイジー★エンジニア主義』(Tech総研編/講談社)、著書に『新しい成功のかたち 楽天物語』(講談社)、『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)、『「カタリバ」という授業』(英治出版)、『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『預けたお金が問題だった。』(ダイヤモンド社)、『文章は「書く前」に8割決まる』(サンマーク出版)などがある。


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     一方で、これから日本に生まれてくる子供は、生まれた瞬間に900兆円の借金を背負うことになる。それは、あまりに不公平ではないだろうか?日本のお金の流れはおかしい。そしてそのツケは、若い人が負わされている。

     マネックス松本大さんに話を聞きながら、日本のお金のいびつな構造をあきらかにし、将来に向けて警鐘を鳴らす。

    「若い人ほど知ってほしい、日本のお金が働かないワケ」

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