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夏場の電力供給制限で企業が被る痛手は致命的?
政府に求められる明治維新以来の“変革エネルギー”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第171回】 2011年4月12日
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夏場以降に1350万キロワットの電力が不足?
社会に大きな暗い影を落とす電力供給問題

 大震災の痛手がまだ癒えていない現在、経済の復興を話題にすることは適切ではないかもしれない。しかし、原子力発電所と電力供給に関する問題は長期化する懸念があり、これからも私たちの生活に大きな影響を与えることは避けられない。

 特に電力供給能力が低下し、今年の夏場以降、家庭や企業の電力使用量が制限されることは、わが国の経済に致命的な痛手になることも懸念される。

 3月25日、東京電力が発表した「今夏の需給見通しと対策について」によると、東京電力管内の今年夏場の電力需要量は約5500万キロワットと見込まれる。一方、同社の供給可能電力は4650万キロワットであり、差し引き850万キロワットが不足することになる。

 ただし、需要予測はかなり控えめに見ており、おそらく最大需要は6000万キロワットとなり、1350万キロワットの電力が不足することが懸念される。

 モノ作りを行なう企業にとって、使用する電力量の制約は決定的に重要なファクターだ。たとえば、アルミの精練などは安定した電力供給がないと、精錬のプロセスを行なうことが難しくなる。

 その他のほとんどの業種で、電力の供給が止まると、電動式の機械を動かすことができなくなる。それでは、製品を作ることができない。製造業にとっては致命的な制約だ。

 それを防ぐために、夏時間の導入や、電力使用量の規制など、様々な方策が検討されているが、1つや2つの対策で電力不足に対峙することはできない。いくつもの手段で、総合的に対応することが必要だ。

 その任を担うのは政治なのだが、現在の民主党政権にそれができるかどうか、懸念を持っている人は多いだろう。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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