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通信事業者の原点に立ち返る
NTT岩手の伝言預かり活動

週刊ダイヤモンド編集部
2011年4月12日
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 被災者にとっては、心強い存在になったはずだ。

 NTT東日本の岩手支店は3月18日から、避難所での生活を余儀なくされている被災者を対象に、「伝言お預かり活動」を続けている。避難所に、伝言メモの記入用紙と筆記用具を配り、被災者が記入した情報を岩手支店が預かって、被災者の代わりに電話で親族(緊急連絡先)に連絡するという原始的なサービスだ。

通信はデジタルが常識の時代にあって、威力を発揮したアナログの“伝言メモ”

 そもそもの発端は、11日の震災直後に、避難所でNTTの作業員が通信設備の復旧や特設公衆電話の設置に従事していた際に、数人の被災者から「NTTの作業着を着ている人なら、非常時でも通信手段を持っているはず。なんとかして、私が無事だということを家族に伝えてくれないか?」と頼まれたことだった——。

 その数は、日に日に増えていく。現場で復旧に当たる作業員たちは「避難所の状況を見れば、とても断れない。私たちの意思として、“伝言預かり”に取り組みたい」と、岩手支店で毎日開かれていた連絡会議で報告した。すぐに支店長は「やるべきだ」と判断した。そして、たまたま妻の出産で岩手に里帰りしていた最中に被災した本社広報部員が、そのまま支店に留まり、東京本社との交通整理役を買って出て、即席の簡易マニュアルを作成した。

 現時点で、NTT東日本の岩手支店の伝言メモの取扱件数は2683件。岩手県内の番号からかけるので、実際に連絡が取れた人が半分以上も存在する。東日本大震災では、同支店がカバーする陸前高田市などは最も甚大な被害を受けた地域の一つ。通信事業者の原点とは何か、を考えさせられる話である。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)

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