アレルギーはなぜ起こる?毎日同じものを食べるのは危険「果物」「野菜」「芋類」でもアレルギーを発症するケースがあります

アレルギーの日は知っている?
急増中の「食物アレルギー」

 さる2月20日は「アレルギーの日」だった。日本人の研究者・石坂公成がアレルギーに関わる抗体「IgE抗体」を発見し、1966年米国の学会で発表した日である。アレルギーの日の前後1週間を「アレルギー週間」として、全国の日本アレルギー協会支部では患者や医療従事者向けに様々な啓発活動を行っているという。

 アレルギーといえば花粉症を思い浮かべる人が多いだろう。人をとりまく空気にアレルギーの源が含まれ身体が攻撃されるというのは、考えてみれば恐ろしいことだ。同様に怖いのは、常日頃に口にする食品がアレルギーの源になってしまうことだ。

 厚生労働省によれば日本国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているが、「食物アレルギー」が急増したのはここ15年ほどのことだという。1才未満の乳児で最も多く発症しているが、その年代に限ったことではなく小児から成人まで幅広く患者が見られる。これまではほとんど存在しなかった「果物」「野菜」「芋類」などによるアレルギーの例も報告もされているという。

免疫が誤作動し
食物を異物とみなす

 食物アレルギーとは、言葉のとおり本来無害なはずの食べ物に対して、免疫機能が過敏に反応してしまう状態を指す。免疫は有害な細菌やウイルスなどの病原体から身体を守るためのものである。正常な状態だと、食物を異物として認識しない仕組みが働き、免疫反応を起こさずに栄養として吸収する事ができる。しかし、免疫反応を調整する仕組みに問題があったり、消化・吸収機能が未熟だと、食物を異物として認識してしまうことがあるという。

 アレルギー反応はこのように異物として認識された食物の成分(食物アレルゲン)を排除するために起きるものだ。腸から吸収されたアレルゲンは血管を通して全身に運ばれるため、眼・鼻・のど・肺・皮膚・腸などでさまざまな症状が現われることになる。もちろん食物を摂った時だけでなく、触ったり、吸い込んだり何らかのかたちでアレルゲンが体内に入った場合には同様にアレルギー反応が起きる。反応は、くしゃみ、鼻水、じんましんといった直接生死には関わらないが生活の質を著しく下げるものから、呼吸困難、血圧低下といった命を落としかねないものまでさまざまだ。