「仕事が進まない」「今日も残業だ」「結果が出ない」……こうした問題を、すっきり解決してくれる手法がある。PDCAを超スピードで回す「高速PDCA」だ。ソフトバンクでは6万人超の社員がこの手法を使い、わずか30数年で8兆円企業を誕生させた。
「高速PDCA」はただ仕事の質とスピードを高めてくれるだけでなく、人の成長も高速化させてくれる。それは5つの力が身につくからだ。
9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の話題の本『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

ソフトバンクの社員はなぜ優秀なのか?

 確かに、ソフトバンクの社員は優秀です。

 でも、最初から優秀だったわけではありません。入社した当初は、他の企業に入った人と大して能力差はないものです。それどころか、過去は中途入社の社員ばかりで玉石混淆だったのです。

 ですが、平凡だった人たちもソフトバンクで仕事をするうちに、ソフトバンク流の仕事のやり方に慣れ、高いパフォーマンスを上げるようになります。

 このソフトバンク流の仕事のやり方が「高速PDCA」であり、この仕事のやり方を徹底的に繰り返すことで、個人の能力も組織の力も急激に伸びます。だから、ハイスピードでいい結果が手に入るのです。

 高速PDCAを回すことで身に付く力がどんなものかというと、次の5つです。

 (1)自分で考える力
 (2)
数字を使う力
 (3)ムダがなくなる
 (4)高いモチベーション
 (5)失敗を恐れない力

 なぜこの力を身に付けることができるのか。そしてどのようにして身に付けていくのか。それを、ここからはお話ししていきます。

 まずは「(1)自分で考える力」です。

 普通の会社では、社員が自分で考えて動くことはあまりないのではないでしょうか。

 ほとんどの場合、上司や先輩の経験から計画が立てられて、部下はそれに従ってホウレンソウ(報告・連絡・相談)しながら仕事をする。これが通常なのではないでしょうか。

 ですが、これではいつまで経っても考える力は付きません。