シーグラーとローティ-フォージュの仮説

 数処理の能力は2歳ごろから徐々にできるようになり、年齢が上がるにつれて処理できる数が増えて行くという仮説があります。

 シーグラーとローティ-フォージュ(Robert S. Siegler and Hugues Lortie-Forgues)で2014年に発表しています。
 彼らは、大きさとおもな計算時期を次のように決めています。
3~5歳で、0~10までの数
5~7歳で、0~100までの数
7~12歳で、さらに大きな数
0~1の分数は、8歳~大人まで
0~Nの分数は、11歳~大人まで

 数が数えられるようになると、加減乗除ができるようになるので、ひと桁の数の処理であれば、2歳から学習訓練が可能です。

 年齢は早く始められれば早いほうがいい。そうすればたくさんの数の処理ができるようになります。
 ひとつの数がひとつの概念と考えられれば、記憶している知識も増えていきます。すると、早くから前頭前野はよく働くようになります。

 分数やわり算の学習を、自分の意志でしたければしてもいいが、日々の生活の中で使うことは少ないでしょうから、小学生用計算のワークブックや補助教材を使うといいでしょう。
 同時に、漢字が読め、書けるように国語の勉強もしておかなければなりません。
 分数・わり算の学習より私が勧めるのはひと桁のたし算、ひき算、かけ算の暗算お経式暗算法です。これは、本書で紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。
 また、ひと桁の暗算ができるようになったら、これからのグローバル時代を乗り切るために、英語で音読してみるのもオススメです。
 これからは、2ヵ国語を使えるようにしておいたほうが絶対に有利です。

久保田 競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』 (以上、ダイヤモンド社)、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』(以上、主婦の友社)、『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)などベスト&ロングセラー多数

 

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計38万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評
【脳研工房HP】 http://www.umanma.co.jp/