「中国が外国人を能力でランク付けし在留制限」記事の誤解

 新年早々、ある記事のタイトルに驚かされた。「現代ビジネス」に載った「前代未聞! 中国が始める外国人『ABCランクづけ』制度 日系企業は大パニック」というものである。

 中国関連のニュースには奇抜な扇情的タイトルが多いので、普段なら、大して驚きなんかを覚えずに記事の内容に目を通すだけで終わるのに、今回は本当にびっくりした。その記事を書いたのが『週刊現代』編集次長の近藤大介氏という方だったからだ。

 近藤氏は、「外国人を選別する極めつきの制度が、4月から始まる。北京でも上海でも、日本人駐在員たちは、前代未聞の措置に右往左往」しているというタッチで記事を書き進めていく。

 その措置とは、昨年11月に外国人の管理を担当する国家外国専家局の「外国人来華工作許可工作小グループ」が突然、発表した制度のことを指す。

「世界に例を見ない」その制度は今年4月1日から、中国に居住するすべての外国人を、Aランク(ハイレベル人材)、Bランク(専門人材)、Cランク(一般人員)に3分類するそうだ。

 近藤氏の説明によれば、「Aランクの外国人は、居住地域に明るい未来をもたらす優秀な人材のことで、居住を奨励する。Bランクの外国人は、国内市場の需給や発展に応じて増減させていく人材のことで、居住を制御する。一方、Cランクの外国人は、臨時的、季節的、及び技術を伴わないサービス業などに従事する外国人で、今後は国家政策に基づきながら、居住を厳格に制限していく」といったような人材選別制度だ。

「この突然の措置に度肝を抜かれ、パニックに陥っているのが、2万社を超える中国国内の日系企業で」、日本企業の中国現地法人の社長を務める人も4月になったら、「Cランクの外国人」に分類されて、中国から追放される社員が続出しかねないのではないか、と近藤氏が心配している。

 記事の中で、現地法人社長の声も紹介されている。