印税ゼロで出版されたことでも話題となっている、岡田斗司夫氏の新刊『評価経済社会』(ダイヤモンド社)。ツイッターをはじめソーシャルメディアとも相性がいいという「評価経済社会」とは、いったいどんな社会なのか。そして、そんな世界の変わり目に生きる私たちは、どうふるまっていけばいいのか。また、未曽有の大震災をへて、日本はどこへ向かうのか。ゲストに堀江貴文氏、ファシリテーターに慶應義塾大学の中村伊知哉教授を迎えて、徹底的に語ってもらった。

食べログ、Amazonのユーズド…
貨幣の代わりに評価が流通する社会

――「評価経済社会」って、一言でいうと何なんですか?

岡田 貨幣の代わりに評価が流通する社会、これまで優先順位の一番が貨幣だったのが、その一番が評価になってきているという考え方なんです。よく食べログとか、Amazonのユーズドなんかを例に出すんですが、昔だったらできるだけ安いものを買いたいと値段先行で探していたのが、今はまず98%とか五つ星とか評価の高いものを探して、その中から値段が見合うものを探しますよね。これも評価経済社会の現れだと思っています。

――この本は、15年ほど前に出版された『ぼくたちの洗脳社会』がベースになっているそうですが、あらためて世に問われたというのはなぜですか?

岡田 内容はほとんど同じなんですけど、その頃はまだインターネットって言葉すらなくて、ニフティサーブとかパソコン通信の時代でした。これからの社会では、家族同士がお互いメールで連絡をとりあうと書いたんですが、「そんな冷たい社会になるわけない」って、誰も信じてくれなかったんです。

――岡田さんは、大学の講義や公演もすべてノーギャラ。それに付き合って、今日はみんなノーギャラでやっていますけど(笑)。それでどうやって食べていくんですか?

岡田 昨年、「オタキングex」という会社組織みたいな家族集団、学校集団をつくったんです。この取り組みが面白いと思う人は、年間12万円払って社員になってもらって、その代わり僕はタダでコンテンツを世界中にばらまく。彼らは12万円払って、僕といっしょに仕事をする権利を買ってるんです。仕事でギャラをもらうって考え方をするから世の中がおかしくなってる。家事のようにタダでやる仕事もあれば、遠隔地のボランティアのようにお金を払ってでもやりたい仕事もある。それを整理すると、FREEex(フリックス=何か・誰かを無料&自由化する)っていうシステムになるな、と。

――コンテンツをつくって売るほうがラクなんじゃないですか?