国が用意する地震保険の支払限度額は
東日本大震災の支払い額の約10倍!

 冒頭でも書いたように「東京に大地震が起きたら、地震保険は払われないだろう」と考える人は少なくない。巷ではよく言われるが、実際のところは大きな誤解と言える。きっと支払われないだろうと思っている人には、ぜひ知っておいてもらいたい数字がある。

 地震保険は国と保険会社が共同で運営しており、補償内容、保険料はどの保険会社から入っても同じである。1回の地震で支払われる保険金の総額には上限が設けられており、2017年3月現在11兆3000億円。「11兆3000億円」と聞いてもピンとこないだろう。たとえば、阪神・淡路大震災で支払われた保険金額は783億円、東日本大震災では約1兆2000億円であった。

 総支払い限度額は、毎年度国会の議決を経て決められており、関東大震災クラスの巨大地震が発生したとしても対応可能な範囲とされている。ちなみに2011年6月の上限額は5兆5000億円であった。大規模地震が発生するごと、上限額は見直されている。100%安心していいとは断言できないが、法律による定めがあるので、やみくもに心配する必要はないといえる。

 巨大地震が発生すると、保険金の支払いは巨額になる。被災した契約者に保険金を迅速かつ確実に支払うために「地震保険の保険金額は、火災保険の半分まで」「損害区分に応じた保険金の支払い」など商品に工夫が施されているのである。「保険会社が払いたくないから」という理由の商品性ではないことを覚えておこう(そもそも商品性は国が決めている)。

生命保険だって5年分まとめて
払えば、保険料は120万円にも!?

 もうひとつの「地震保険の保険料、高いですよね」という質問(意見?)については、高いとも安いとも即答できない。そもそも保険料を高いと考えるか安いと考えるかは、その人の価値判断によるところが大きい。一般に一戸建てに住み、地震保険の保険期間を5年としている人は、口を揃えて「保険料が高い」と言う。

 前述のようにマンション住まいの人であれば、土地と構造部分を除いた「専有部分」だけに地震保険をかけることになるので、地震保険の保険金額は500万円前後が目安。ところが一戸建てになると建物部分すべてにかけるので、地震保険金額が1000万円、住宅によっては2000万円になることも。

 保険料は保険金額に応じて決まるため、マンション住まいの人に比べて一戸建てに住む人は支出の負担感が重くなる。これから購入する人でマンションか一戸建てか迷っている人は、このあたりも考慮するといい。