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三谷流構造的やわらか発想法

首都直下地震に備える
~避難訓練をやって初めてわかること

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第56講】 2013年3月21日
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首都直下地震で備えるべきは「火災避難」

 東日本大震災が起きた3.11から10日が過ぎました。わずか10日ですが、テレビはもう次の話題に走り、「災害特集」をやっているのはディスカバリーチャンネルくらいになりました。しかし、首都圏に住み・働く3000万人の人々が、来たるべき首都直下地震(*1)に対して、十分備えているとはまったく思えません。私も含めて、です。

 では自分の、そして家族の命を守るために、われわれはどうすれば良いのでしょうか(ここで議論するのは、人命のみとします。経済的損失の軽減は別機会に)。

 2012年4月18日に公表された『首都直下地震等による東京の被害想定』によれば、東京湾北部を震源とするM7.3の地震が冬の夕方(風速8m/s)に起こった場合、死者は9700人、うち建物の「倒壊」によるものが5600人(58%)、「火災」によるものが4100人(42%)です(*2)

 家屋の倒壊に備えるのは、ある意味簡単です。古い木造2階建ての住居をどうにかすればいいのです。逆に、家(やオフィス)を耐震化できないなら、いざというときにやれることはあまりありません。阪神淡路大震災のときもそうでしたが、揺れによる倒壊は一瞬であり、1階で寝ていた多くの方が圧死による即死(*3)でした。

 でも火災は違います。津波と同じで時間があります。ちゃんと逃げれば良いのです。

*1  M7.3クラスの東京湾北部地震を想定する。
*2 阪神淡路大震災では、発生が早朝だったため火災の発生が少なかった。死者・行方不明者6437名中、火災によるものは9%のみ。
*3 ゆえに、2階で寝るようにすることも生存効果は高い。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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