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脳にまかせる勉強法
【第2回】 2017年3月13日
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池田義博

40代半ばで挑戦し、なぜ記憶力日本一になれたのか?(上)

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記憶力日本一、世界記憶力グランドマスターの技術をふだんの勉強に置き換えたら、どんなすごい勉強法が生まれるのか。そんな問いから始まった新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』。もともと記憶に優れていたわけでもないひとりの人間が、どのような変遷を経て、記憶力日本一になったのか? カギは、「メンタル」と「テクニック」のトレーニング方法にありました。

探し続けた能力をアップする方法

 この本を手に取られた方の多くは、「試験に合格したい」「資格を取りたい」「覚える力を養いたい」などの目的を持っておられる方でしょう。目的を達成するために、より効率的な勉強法を手に入れて、今よりもさらにレベルアップを図りたいと考えていらっしゃるかもしれませんね。

 私もかつてはそうでした。

 常に自分の能力をアップさせてくれる方法を模索し続けてきました。しかし、長いあいだ、見つけることができず、見つかったのは恥ずかしながら40代になってからです。

 そこまであきらめずに探し続けてこられたのには理由があります。

 それは「脳はいつからでも鍛えることができる」―このことをずっと信じ続けてきたからなのです。

 そして、それは事実だったのだと、今では実感しています。

 学生時代は、自分に合った勉強法がわからないまま過ごしていました。なんとなく自分の能力を引き出すためのもっといい方法があるはずだという予感はあったものの、結局見つけられず、今思うとずいぶん効率の悪い勉強をしていたというのが感想です。それでも比較的理数系の科目が得意だったので、大学は工学部に入ることができました。

 その延長でエンジニアになったのですが、仕事は無難にこなしていたとはいえ、そこでも「もっと自分は能力をアップさせることができるはず、こんなものではない」という気持ちをどこかに持ちつつ働いていたのを覚えています。

 そうこうしているうちに、父親がガンで亡くなったのです。

 実家の家業は父親が始めた塾でした。

 それまでは家業を継ぐというイメージは、自分の中にほとんど浮かんだことがなかったのですが、父親の死によっていきなり目の前に現実として現れ、そのとき初めて家業を意識しました。

 父が亡くなったタイミングと、自分を変えるきっかけがほしいという思いがたまたまぴったり合うことになり、エンジニアを辞め、家業を継ぐことにしたのです。

 そして塾を継いで数年が過ぎ、手探り状態でなんとか続けてはいたものの、そこでも「これだ!」という手応えはつかめずにいたのです。

 何か新しいものはないか、現状を変える何かはないかと、常に探し続けていました。

 そして塾に導入できる新しいカリキュラムが何かないかといろいろ調べているうちに、たまたま「記憶術」という言葉が目に入ってきたのです。

 これまで理数系の人間として生きてきたので、自分の記憶力がどのぐらいなのか、どうすれば記憶力が上がるのかなどはほとんど考えたこともありませんでした。

 その当時、私が記憶術に対して持っていた印象は、雑誌の裏に載っている怪しい通信教育ぐらいのものだったのです。
 
 ところが調べていくと、記憶術というのは決して怪しいものではないことがわかったのです。

 しかも、それは個人の素質とは関係がないものでした。脳の性質を利用した技術を使えば、誰でも能力アップが図れる方法だったのです。

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池田義博(いけだ・よしひろ)

一般社団法人日本記憶能力育成協会会長。
大学卒業後、大手通信機器メーカーにエンジニアとして入社。その後、学習塾を経営。 塾の教材のアイデアを探していたときに出合った記憶術に惹かれ学び始める。このとき、記憶力を競う記憶力日本選手権大会の存在を知り出場を決意。独学での 練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、14年、15年と3連覇。17年も優勝し、出場した4回すべて記憶力日本 一に。
また、13年12月、ロンドンで開催された世界記憶力選手権において、日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得する。
次の夢は技術としての記憶力を広く世の中に伝え、さまざまな立場の人々の記憶力向上に貢献し、それにより豊かな生活を享受してもらうこと。その活動を使命とし形にするため、一般社団法人日本記憶能力育成協会の設立に至る。
NHK総合「ためしてガッテン」や「助けて! きわめびと」、TBSテレビ「マツコの知らない世界」など、テレビ出演多数。


脳にまかせる勉強法

年齢を重ねるにつれて覚えが悪くなると思っている人がいたら、それは間違いです。脳はいつからでも鍛えることができます。世の中に存在する試験と名のつくもののほとんどは記憶の量で結果が左右されるので、記憶力さえ身につければ、たいていの問題は解決できます。そこで、本連載では、新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』から、「覚える」「引き出す」「やる気を出す」「集中力を保つ」など、40代・独学でも4回連続日本一になれた、脳の編集力を最大限に利用した最強の記憶術を紹介します。

「脳にまかせる勉強法」

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