◆気づく力を高める1分間瞑想法
◇マインドフルネスで「気づき」を促す

 マインドフルネスとは、「今、ここ」という瞬間に常に意識を向けて、あるがままに観察する「気づきのトレーニング」である。人間はつい無意識に、「今」ではなく過去や未来に思いを馳せ、目の前のことに評価や判断を加えがちだ。しかし、身体の感覚や未来への期待、過去への後悔といった無自覚のものを意識化していくことで、「気づく力(アウェアネス)」が高まっていく。

 瞑想を続けていくと、内面で起きていることに「気づく力」が養われていく。この力が高まると、うつの改善や幸福の実感といった精神的に良い効果が生じる。なぜなら、自動的に湧いてくるネガティブな思考や感情のパターンを、少し離れたところから俯瞰できるからだ。すると、自分の思考に自覚的になり、感情に振り回されることが激減するだろう。

◇「無になろう」と思わなくていい

 瞑想というと、雑念が湧いてくるのはダメだと思い込んでいる人も少なくない。しかし、マインドフルネスの目的は「気づく」ことである。感覚に集中し、集中が途切れたら再び集中に戻るというのをくり返すことで、それが脳への良い「負荷」となり、脳が鍛えられていく。「無になろう」と躍起になる必要はない。

 このように、瞑想で「今、ここ」に100%集中するとき、頭の中が空っぽになって、大事なものに没頭した状態になる。このときこそ集中力が最大限発揮され、思考がクリアになり、幸せを感じやすくなるのだ。

◆思考を整える1分間瞑想法
◇人間の幸福度の40%は「小さな行動」で変わる

 人の幸福について研究するポジティブ心理学では、「人間の幸福度のうち、50%は遺伝子によって、10%は家庭や仕事の環境、経済的な状況といった外部要因によって決まる。残り40%は自分の行動やあり方が規定する」という。つまり、人に親切な行いをする、感謝するといった小さな習慣を意識するだけで、幸福度は大いに変化するといえる。

 では、心の内側を満たし、幸福度を高める習慣とは何なのか。まず心がけたいのは、幸福度を下げる習慣を手放すことである。それは、過去の出来事を何度も頭の中で再生させて、マイナスの気分を味わう「反芻」と、自信をなくすような思考をする「自分責め」の2つだ。

◇反芻をなくし、「今、ここ」の現実に意識を引き戻す

 人間の脳は、未来や過去について妄想するのが得意で、「今」にとどまるのが苦手という性質を持つ。例えば「上司に嫌なことを言われた」という過去の記憶を再生することで、不快な感覚や感情が湧き起こり、あたかも今体験している現実のように、怒りや不安を感じてしまう。つまり、頭の中にしかない「妄想」に振り回されている。

 こうした状況を防ぐには、呼吸の感覚に意識を向けることが肝要だ。「今、ここ」の現実に意識を引き戻すことで、「反芻」する癖が和らいでいくだろう。