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世界のエリートがやっている 最高の休息法
【第21回】 2016年10月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

「瞑想」で成績アップ!?「集中力のある子」を育てる「脳の休ませ方」とは?

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「ウチの子は落ち着きがなくて…」「宿題をやっていてもじっくり机に向かえない…」――そんな“子どもの集中力”に悩みを持つ親御さんたちも多いはず。いま、学校など世界中の教育現場で「ある方法」が積極的に導入されつつあるのをご存知だろうか?グーグルなどが社内研修で採用したことで爆発的に話題になり、アメリカなどを中心に大流行している「マインドフルネス」だ。

マインドフルネスは瞑想法の一種として知られているが、その効能は心身のリラックスやストレス軽減といった主観的なものにとどまらない。最新の脳・神経科学などからも多数のエビデンスが集まりつつあり、子どもの集中力改善についてもポジティブな研究成果が発表されているという。

そこで、日本で最も好調な売れ行きを見せているマインドフルネス本『最高の休息法』を著した米国カリフォルニア州在住の医師・久賀谷亮氏に、「マインドフルネスと子どもの集中力の関係」について聞いた。
(構成/藤田悠)

ニューヨークの8000校で導入!!
学校教育×マインドフルネス

―日本の場合、「あのグーグルが採用したマインドフルネス」というように、どちらかというとビジネスの文脈で話題になってきた印象があります。

そうですね。世界のトップ企業がこの方法をこぞって導入しているというのは本当です。これにはいろいろな背景があると推測されています。いまのIT産業の生みの親たちの多くは、いわゆるヒッピー文化の全盛期に青春を過ごしているため、瞑想のような「東洋的なメソッド」にあまり抵抗がなかったのではないかということを言う人もいますね。代表的なところではAppleの故・スティーブ・ジョブズがまさにその典型でしょう。

iPhoneの「ヘルスケア」アプリには「マインドフルネス」の項目がデフォルトで表示されるようになった

―先日、iOSアップデートにともなって、iPhoneの純正アプリである「ヘルスケア」のなかに「マインドフルネス」という項目が登場していました。Appleは「運動・食事・睡眠」と並ぶものとしてマインドフルネスをとらえているとも言えますね。これからますます世界的に流行していきそうな感じです。

一方で、すでにマインドフルネスを導入している企業も、ただ流行に乗っているだけかというとそんなことはないと思います。彼らはあくまでも営利企業ですから、自分たちのビジネスをすすめるうえで「本当に役に立つもの」にしか手を出そうとしません。なぜこんな一見遠回りな方法を続けているのかと言えば、やはりマインドフルネスの効果を「実感」しているからでしょう。

―そのマインドフルネスが、ビジネスのみならず、学校教育の現場にも入りはじめているというのは驚きです。

マインドフルネスを学校教育に組み込む動きは、以前からかなり出てきているようです。ニューヨーク市ではおよそ8000校近くがマインドフルネスのプログラムを実践したという話ですし、教師や親にマインドフルネスを浸透させるトレーニングもあります。『教師のためのマインドフルネス』というような本も出版されていますね。

Jennings, Patricia A. Mindfulness for Teachers: Simple Skills for Peace and Productivity in the Classroom (The Norton Series on the Social Neuroscience of Education). WW Norton & Company, 2015.

―学校の教育現場にマインドフルネスを導入する際には、どんなことが期待されているんでしょうか?

いちばんわかりやすいのは、やはり「集中力の向上」でしょう。ビジネスの現場でマインドフルネスが普及している背景と同じです。とくに子どもの場合は、長時間にわたって一つの作業に集中するのが難しい場合も多いですから。
マインドフルネスという言葉は、なかなかつかみどころがないですけれど、要するに心があちこちに散らばってしまうのを防いで、「いまここ」に注意を引き止める練習としての性質を持っています。ですから、学習の「基本的な構え」をつくるうえで、この方法が期待されるのは自然なことだと思います。

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久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


世界のエリートがやっている 最高の休息法

イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす、科学的に正しい「脳の休め方」とは? 脳の消費エネルギーの60〜80%は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に使われています。これは、脳が意識的な活動をしていないアイドリング状態でも動いている脳回路。この回路が働き続ける限り、ぼーっとしていても、脳はどんどん疲れていくわけです。つまり、DMNの活動を抑える脳構造をつくり、脳にたしかな休息をもたらすことこそが、あなたの集中力やパフォーマンスを高める最短ルートなのです。

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