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実録 さぬき“町おこし”プロジェクト
【第3回】 2011年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐々木繁範 [リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント]

感情的な発言がヒートアップ!
袋叩きで終わった初会合

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プロジェクトを引き受けたものの、関係者たちにやる気も当事者意識も見られず、ショックを受けた著者。意欲も能力もある人が集まる都会の大企業とは違う、「地方の現実」に向き合わなければ、町おこしはできない……腹をくくる決意をして、最初の会合の日を迎えた。

 プロジェクトの依頼から1ヵ月後、初めての会合が、さぬき市平賀源内記念館で開催された。

 さぬき市商工会からは菓子事業者7社に加え、土産物店、食品卸、ホテル・旅館といった土産物の流通に関わる事業者。市役所からは観光課と外郭団体の観光協会、地元の特産品ということで農政課、そして今回の補助事業を管轄する経済産業省の四国経済産業局の幹部など、27名が集まった。プロジェクトの総責任者は、商工会の十河会長自らが務めることとなった。

 商工会の三谷局長からは、第1回は菓子事業者を中心に少人数で開催したいと打診されたが、私はできる限り多くの関係者を巻き込むことを提案した。皆に当事者意識を持ってもらいたかったからだ。しかし、これが裏目に出た。

 三谷局長は冒頭の挨拶の後、私を紹介してくれた。「今回のプロジェクトをご指導いただく佐々木先生です。大企業で経験を積まれた経営コンサルタントで、東京から来ていただくことになりました」

 大企業、経営コンサルタント、東京……非日常的なキーワードに反応するかのように、好奇と警戒が入り混じった視線が集まる。その雰囲気に気圧されないよう、熱意を込めて挨拶した。

 「皆さんと一緒に、全国に誇れる、日本一ユニークなさぬき市土産をつくりたいと思います。力を合わせて頑張りましょう!」

 うなずいてくれる人から無表情の人まで、反応にはかなりの温度差があった。特に、後方に固まっていた菓子事業者の人たちは、視線を逸らしたままだった。「できるわけないだろ」「忙しいのに、またこんなことに付き合わされるのか」「勘弁してくれよ」……そんな声が聞こえてきそうだった。

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佐々木繁範 [リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント]

リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント。ロジック・アンド・エモーション代表。
1963年福岡県北九州市生まれ。1987年に同志社大学経済学部を卒業後、日本興業銀行に入行。1990年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の直属スタッフとして企業外交を補佐、その間にスピーチ・ライティングを学ぶ。1995年から97年までハーバード・ケネディ・スクールに留学、公共経営学修士号を取得。帰国後、2001年まで出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチ・ライターを務める。ソニーでは計100本以上のスピーチ・サポートを手がけると ともに、IT戦略会議の議長補佐として、IT国家戦略の策定にも携わる。その後、数社にて経営改革に携わり、2009年に経営コンサルタントとして独立。リーダーシップとコミュニケーションを専門とし、経営者やリーダーの組織求心力と影響力の向上を実現するためのメッセージ発信を支援している。ホームページ:http://www.sasakinet.jp
著書に『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書』(ダイヤモンド社)がある。


実録 さぬき“町おこし”プロジェクト

これといった名産品もなく、過疎化の進むさぬき市で町おこしプロジェクトが始まった。カネも知恵も他人任せの依存体質から脱却し、全国に誇れる土産物の開発へ。町おこしに携わった経営コンサルタントが、紆余曲折、地方都市の自立の軌跡を赤裸々に紹介する。

「実録 さぬき“町おこし”プロジェクト」

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