制裁が導入された当初の4月こそ中国の石炭輸入量は対前年度比19.3%減であったが、8月から増加に転じ、16年全体として12.5%増となった。特に11−12月には対前年同期で2倍を超えている。昨年9月の第5回核実験後、民生用除外をなくし、北朝鮮からの石炭輸出の上限を年間4億ドルもしくは750万トン以下に抑えることにした。

 今年2月18日、中国は「安保理決議が定めた輸入上限額に近づいたため」として、北朝鮮からの石炭輸入を19日から今年末まで禁止した。「これは国際的義務を履行したものだ」とも述べた。これは米国をはじめとする国際社会の目を意識したものであろう。

 しかし、前回と同様、時間の経過と共になし崩し的に反故にされないか見守っていく必要がある。中国の非協力が続く限り、制裁の効果は限定的である。

 さらに問題は、制裁が効果を上げるためには時間が必要であることだ。トランプ大統領は、大統領選挙の遊説中、核ミサイルの開発を断念させるために、「ハンバーガーを食べて対話する」と述べていた。しかし、23日のロイター通信とのインタービューでは「決してノーとは言わないが、遅すぎるかもしれない」「彼(金正恩)の行いにとても怒っている。率直に言えば、オバマ前政権が対処して置くべきであった」として戦略的忍耐政策をとってきたオバマ政権を批判した。北朝鮮の核問題では時間を掛けるだけ状況は悪くなるとして、強硬路線に転じようとしている

非協力的だった中国を
いかに矢面に立たせるか

 北朝鮮の核ミサイル開発がここまで進んだ大きな原因は中国の非協力である。北朝鮮との6者協議を主張して時間を無駄にし、北朝鮮に対する制裁破りをして北朝鮮に核ミサイル開発の資金を提供してきたのである。権力を一手に集中した習近平であれば、北朝鮮が対話で核・ミサイル開発をやめないことはわかるはずである。

 THAAD配備が必要となったのは、中国が時間を浪費させてきた結果であることを、肝に銘じてほしい。THAAD配備に反対であればその元凶を取り除く努力をしてほしい。

 北朝鮮の元駐英大使館の太永浩(テ・ヨンホ)氏は「仮に米朝交渉などを通じて、北朝鮮が核実験やミサイル発射を凍結する見返りに、軍事演習の中止や制裁解除、経済支援に応じれば、自ずと北朝鮮の核保有国認定につながり危険だ」、北朝鮮の核問題を解決するためには「政権を崩壊させる方法しかない」と述べている。