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今週のキーワード 真壁昭夫

大震災と連休の間に進んでいた世界経済の異変
米国、欧州、新興国が抱える時限爆弾の“中身”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第174回】 2011年5月10日
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世間が大型連休に沸いている間に
世界経済には暗雲が垂れ込め始めた

 わが国で起きた未曽有の大震災と大型連休の間、世界では色々なことが起きた。たとえば5月初旬、米国での大規模テロ事件の首謀者とされる、オサマ・ビンラディンが米軍によって殺害された。

 金融市場はこのニュースをとりあえず好意的に受け止めたものの、中東地域の地政学的リスクが軽減されたわけではない。

 世界経済の様相には、やや黒い雲がかかり始めている。米国では住宅価格の下落傾向や労働市場の回復の遅れなど、経済のストック面での懸念は完全に払拭されていない。

 また、米国の1-3月期のGDPは前期対比1.8%増と、昨年10-12月期の3.1%から大きく減速した。4月下旬のFOMC会議では、QE2は予定通り6月末で終了するものの、当面、現在の金融緩和策を継続することが明示された。

 一方、欧州では、依然ソブリン・リスク懸念がくすぶり続けており、金融市場ではギリシャの債務再編=借金の一部減免の観測が流れている。

 また、英国やドイツなどでは、主要経済指標が予想外に落ち込むケースが目につくようになっており、経済専門家の間では、「欧州経済の先行きに過度な楽観論は禁物」との見方が有力になっている。

 そうした状況を反映して、株式や為替の市場では、世界的に相場の展開がやや不安定になっている。世界経済はいくつものリスクファクターを抱えており、今後の行方を注視することが必要だ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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