すでに複数の大統領候補者が、日韓両政府の慰安婦問題に関する合意を再交渉、あるいは破棄すると主張している。これ以外にも、わが国を非難する主張は多い。冷静に考えると、朴前政権以上に反日姿勢を鮮明にした政権が誕生する可能性は高い。

 足許、韓国経済の不振が続いていることも改革の妨げになりやすい。韓国の労働市場は硬直的だ。財閥改革を進めれば一段と景気が減速し、失業増加、所得減少につながるだろう。世論は、「痛みがわかっているのに、なぜ改革を進めるか」と反発するはずだ。次期大統領が世論を説得して必要な改革を進めるためには、かなりのエネルギーが必要だ。日本問題は国民の批判の矛先をかわすのには有効と考えるのではないか。

 韓国がある時期に頼りにしてきた、中国との関係も急速に冷え込んでいる。朴前大統領にとって中国と反日姿勢を共有することは、世論をなだめる重要な政策だった。そこには、中国の消費需要を取り込むことで、改革せずとも成長は可能というアピールもあった。

 しかし、北朝鮮のミサイル発射に備えて韓国が米国の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の導入を進めるや、中国は態度を硬化させた。すでに、韓国向けツアーの募集取りやめなど、報復措置もとられている。韓国にとって、中国は最大の貿易相手国だ。事実上、韓国経済はのど元を締め上げられた状況にあるともいえる。そうした厳しい状況の中で改革を進めることはかなり難しいだろう。

日本に必要な大人の対応
アジアに「親日国」を増やす

 日本は以上のような展開を冷静に分析して“大人の対応”を取るべきだ。韓国政府が反日姿勢を強め、再度、慰安婦問題などの解決を求めてくる展開は十分に考えられる。だが韓国の求めに感情的に応じ、相手の反感を煽るのは禁物だ。