闇株新聞[2017年]
2017年3月24日公開(2017年3月24日更新)
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正体は明かしていない。
人気ブログ「闇株新聞」で「オリンパス事件」「AIJ投資顧問事件」といった経 済事件をきっかけに、信頼のおける解説でコアな読者をつかんでいる。 ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン(DPM)で有料メルマガ『闇株新聞プレミアム』を配信。
著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。

闇株新聞[2017年]

闇株新聞編集部
 

『闇株新聞』は、新聞、雑誌などの大メディアの経済記者や金融業界関係者、プロ級の個人投資家がひそかに情報源にしている。連載『週刊闇株新聞』では、ダイヤモンド社グループの有料メルマガ・DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)『闇株新聞プレミアム』で配信しているディープな闇株的考察のダイジェストや「闇から暴く相場の真実」というスタンスのもと株、為替、日本国債、世界経済の今後などについて解説していきます。

闇株新聞編集部

今年は本当にバブルになるのか!?
世界経済史3大バブルから検証!闇株新聞がバブル元年を検証

刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』は昨年末から「2017年はバブル元年である」と書き続けています。ただし、現在の株価が高値圏にあるので“弾けることを警戒せよ”と言うのではまったくないよう。今回は、なぜ「闇株新聞」がバブルの到来を確信しているのか、そして歴史上のバブルについて考えます。

 本紙が今年を「バブル元年」と予想する根拠は、リーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和で資金が溢れ返っているからです。しかしまだ膨らむ前の段階であり、今から「弾ける」心配をする必要はまったくありません。むしろ、収益チャンスの局面と捉えています。

 ところで、バブルといってもいろいろです。本紙は何か物事を議論するときには徹底的に過去に遡って検証することにしています。そこで今回は「世界経済史における3大バブル」について見て行くことにします。

 世界経済史における3大バブルとは「チューリップバブル」「南海泡沫バブル」「ミシシッピバブル」です。今から数百年も昔の話ですが、過去から検証するにはこれくらい遡る必要があるのです。

オランダでチューリップの球根が
年収60倍で取引された理由とは!?

 「チューリップバブル」とは1636~37年のオランダで発生した、世界最古のバブルです。当時のオランダはスペインとの独立戦争で、勝利をほぼ手中に収めていました(正式の独立は1648年)。

 国民の気持ちが高揚していたところへオスマントルコからチューリップが持ち込まれ、たちまちブームになりました。チューリップは突然変異の起こりやすい品種ですが、球根の段階ではどんな花が咲くのかわかりません。人々は突然変異を求め、次第に高値で球根を買い求めるようになりました。

 やがて球根にもなっていないチューリップが何度も転売され(先物取引)、手形決済されるようにもなります。1637年初めには球根1個が国民1人の年収の30~60倍にもなったそうです。現金が要らない手形の先物取引だったので、歯止めがきかなくなったのでしょう。

 そうして1637年2月3日、バブルは突然弾けます。球根の価格は瞬く間に数十分の1になり、不渡りの手形が山ほど出てきたと言います。オランダ政府は翌年(1638年)5月「合意価格の3.5%で先物契約を破棄できる」ことを宣言し、ようやく事態が収まったのでした。

国の債務を南海会社株に転換
「バブル」の語源になった事件

 「南海泡沫バブル」は1711年に英国の財政危機を救うため、大蔵卿ロバート・ハーレーの発案で設立された南海会社が発端です。そもそもは南海会社が国債の一部を引き受け、スペイン領西インド諸島との奴隷貿易の独占権を得、債務を弁済するというものでした。
 
 ところが、目論見はスペインとの関係悪化で頓挫。そこで南海会社が国債に見合う新株を発行する策が考え出されました。今でいう「デット・エクイティ・スワップ」(債務の株式化)です。

 しかし、南海会社の事業(奴隷貿易)はとっくに頓挫しており、収益源がありません。そこで新株の発行価格を水増しして引き受けた国債との差額を利益を計上、“見せかけの利益”を積み上げさらに新株を発行する「ねずみ講」のようなことを繰り返したのです。

 株価は数十倍に高騰。この“成功”を見た多数の無許可会社が同じ手口で新株発行に走って空前の投資ブームになりました。事態を重く見た英国政府は1720年6月「泡沫会社規制法」を制定し鎮静化、南海会社以下すべての株価が暴落しました。

王室の浪費のツケで金貨が劣化
金貨→紙切れの交換に人々が殺到

 最後の「ミシシッピバブル」とは、フランスの絶対王政時代に起こりました。ルイ14世の浪費で国家財政は破綻状態にあり、王室は国内に流通していた金貨をせっせと改鋳(混ぜ物をして純度を下げる)していました。

 後継のルイ15世は財政に困り果てます。そこへスコットランドの実業家ジョン・ローなる人物が現れ、ルイ15世を焚き付けて「王立銀行」(ルイ15世とローの個人銀行)を設立、国民から金貨を預かって紙幣を発行する権利を獲得します。

 要するに金貨を紙幣という紙切れに交換するだけですが、金貨は度々の改鋳で目減りしていたため王立銀行発行の「紙幣」が金貨より割高に流通する事態になりました。やがて王立銀行は禁を破り、預かった金貨以上の紙幣を発行してしまいます。

 金の不足を穴埋めするためにジョン・ローはインド会社(ミシシッピ会社)を設立、政府の債務と引き換えに、当時フランスが有していた北米中部植民地における奴隷貿易やスペイン領西インド諸島との奴隷貿易等の独占権を得ます。

 インド会社の株価は数十倍に高騰し、新株発行が繰り返されます。しかし、肝心の事業はまったく収益化せず1721年に破綻しました。ただ、インド会社自体は存続して新たにタバコやコーヒーの専売権を得て、1790年には負債を弁済しました(大半はインフレで消えたはずです)。

 これら3大バブルは、現在とはまるで異なる経済の下で発生しています。本紙が言っている「2017年はバブル元年」ともまったく異質のものです。ところが1つだけ、今日にそっくりな事例がありました。「ビットコイン」です。

 本紙が考えるバブルとは、モノの価格が本来の合理的価値を超えて上昇する現象です。3大バブルは「そもそも価値があるかどうかわからない」あるいは「全く価値のないもの」が無条件に信用され、熱狂により加速しました。ビットコインもまさにこれに該当します。


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