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美人のもと

ニコニコバーガー

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第100回】 2011年5月16日
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 サンドイッチ好きは多い。バリエーションがあり、いつでもどこでも手軽に楽しめる。そもそもサンドウィッチ伯がトランプを楽しむためにつくったなど、面白い話もあるが、世界中でこんなに愛されている食べ物も珍しい。

 特に「どこでも」という感覚がいい。手でそのまま食べるのも気軽でいい。もし、本当にサンドウィッチ伯考案であるなら、こんな大発明はない。

 美人はサンドイッチの食べ方がうまい。上手に食べる。そして似合う。手軽で気軽に食べられるものだからこそ、気取った食べ方をする人は少ない。「素の自分」が出る食べ物である。

 素手でつかみ、大きな口を開けて食べる。もちろん食べやすいように小さく切ってあるものもあるが、パンの間に何か挟むためにたいてい分厚い。ガブッと口に入れる。このときの口の開け方がうまい。

 そもそも大口を開けるのはあまり美しいものではない。しかし、美人は開けるタイミングと大きさが程よい。食べる直前だけ開ける。

 差が出るのはその開ける直前である。開ける直前に笑顔になるのだ。笑顔になって自然と口が開いて、そこへパンが入っていく。つまり、大口の助走に笑顔を入れているのだ。

 笑顔の助走の習慣がない人はやはり食べ方が下手で、自然と食べる瞬間顔が歪むのだ。このとき「美人のもと」が失われているように思う。

 美人はサンドイッチに限ったことではなく、笑顔で食べることが習慣になっていて、口の開け方がもともとうまい。だから、分厚いサンドイッチに対しても上手に対応できる。

 特に上手さを感じるのはハンバーガーだ。ハンバーガーは分厚いことが多い。そして、最近はその厚さがさらに増している。頑張って大口を開ける必要がある。うまさを感じるのは自分の大口の程度を知っているので。口に入れる前に笑顔でパンを少し押しながら幅の調整をしている。やや頬をふくらましながら、手に力を入れ、押す。そして笑顔。食べる前に美人自身が笑顔のニコニコバーガーになっている。

 笑顔の助走がないと、ハンバーガーはひどい顔をつくってしまうことが多い。時々ハンバーガーショップで怒ったような顔やつまらなそうな顔で食べている人がいる。時間がないなどの理由だろう。笑顔の助走もない。そうすると、食べながらどんどん「美人のもと」を失っていくように見える。食べる瞬間くらい楽しもう。気軽に楽しめるサンドイッチに感謝しながら。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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