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日本を元気にする新・経営学教室

いまの若い人たちは動機づけが弱いと
紋切り型で評価することの危険性
慶應義塾大学ビジネススクール教授 高木晴夫

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],平野光俊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],髙木晴夫
【第15回】 2011年5月16日
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 最近、ビジネススクールの教室で議論していると、30歳代半ば学生から「大卒の若い人は自分から仕事しない」「段取りしてあげないと仕事ができない」という声を、よく耳にする。

 それが時代によるものか、世代によるものかは明確ではないけれども、いまの若い人の主体性や自律性が低いとすれば、いままでのような人材育成のやり方は、機能しなくなるだろう。特に終身雇用制度を採っている組織では、人の入れ替わりは非常に少ないので、動機づけの高い人が多くないと、組織はうまく機能しなくなる。

 言い方を変えると、いまの30歳代以上の人たちが経験してきた、従来のOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)が成立していないということになる。30歳代前半から半ばの人たちが、若手として育てられた頃は「好きなようにやれ、それでいい仕事ができればいい」というようなやり方が主流だった。

 だから、育てられる方も、初めから枠にはめられ、段取りが決められているよりも、目標だけは与えられるものの、手順や段取りは自分で工夫して、仕事をこなす方がいいという考えの中で育ってきた。そういう彼、彼女たちから見ると、「いまの若い人はそうでもない」と言う。

 だが、果たして「いまの若い人は……」という評価は、本当なのだろうか。私はモチベーションが低い、あるいは動機づけが弱いというように、ひとくくりで評価することは、間違っていると思っている。

動機づけのための別の
仕掛けが必要

 では、いまの若い人は主体性や自律性が低下し、レ-ルが敷かれていないと動かないように見えるのはなぜだろうか。現在の20歳代前半の若い人たちは、日本が高度成長期を経て経済的には成熟した後に生まれ育っている。少子化で兄弟も少ない。家計の所得は高くなり、子どもの数が減っているので、子ども1人にかけるおカネは増えている。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

平野光俊(ひらの みつとし) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1980年早稲田大学商学部卒業、94年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了、98年同大学院博士課程修了、博士(経営学)、2002年から同大学院助教授、2006年から現職。経営行動科学学会会長、日本労務学会常任理事、日本労働研究雑誌編集委員。主著に『日本型人事管理』中央経済社。


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