BS(貸借対照表)の構造を理解しよう

 BSの基本構造は本文の中で説明した通り「資産」と「負債」と「純資産」の3つに分かれています。ただ、資産の部と負債の部は、さらに「流動」と「固定」の2つに分かれています。

財務3表の構造を<br />正確に理解するための必須知識図表6-3 BSの構造

 資産の部は「流動資産」と「固定資産」に大きく2つに分かれます。流動資産は1年以内に現金になる予定の資産、固定資産は1年を超えて現金になる予定のない資産です。

 負債の部も同様です。流動負債は1年以内に返済しなければならない負債、固定負債は1年を超えて返済する負債です。

 この1年の基準をワン・イヤー・ルールと言いますが、正しくいえばワン・イヤー・ルールの前に、正常営業循環基準という基準があります。つまり、1年以内という基準で流動と固定に分ける前に、営業活動でぐるぐる回っているものはすべて「流動」に入れるという基準があるのです。

 例えば、在庫などの中には実際には1年以内に現金化されないものがあるかもしれませんが、営業活動で回っているものはすべて「流動」に入れることになっています。ただ、私たち会計の初心者は、1年以内が「流動」、1年を超えるものが「固定」と覚えていて大きな問題はないでしょう。