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出口治明の提言:日本の優先順位
【第6回】 2011年5月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

G8は絶好のチャンス!
三顧の礼を尽くして、世界に専門家の派遣を依頼せよ

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 今月の26日からフランスで先進国首脳会議(G8)が開かれる。世界は、とりわけ福島第一原発事故の行方に神経を尖らせており、わが国のプレゼンテーションに耳目が集まっている。いわば、世界がわが国に「絶好球を投げるからどうぞ打ってください」と格好の舞台を提供してくれているようなものだ。ここで、思い切りよくバットを振り切らなければ、それこそわが国はしばらくは国際社会から相手にされないだろう。では、どのようにバットを振り切ったらいいのだろうか。

第一原発の現状は
想定以上に深刻ではないか

 大震災後2ヵ月、ようやく作業員が第一原発1号機の原子炉建屋に入ることができた。そこで明らかになったことは、原子炉がメルトダウンを起こしていること、格納容器が水漏れを起こしておりこれまで試みてきていた冠水作業を見直さざるを得なくなったこと、水漏れによって地階に大量(3000トン)の汚染水が溜まっていること等であった。「冷やす」ために懸命に注いできた水が漏れているのであれば、冠水による水棺化という解決法はもはや不可能であろう。

 また、これまで注いできた水量は優に1万トンを超える。大半はおそらく蒸発したものと思われるが、差分の一部分がもしや海に流れ出してはいないのか、放射性物質を「閉じ込める」という観点からは気になるところである。2号機や3号機についても、同様に、建屋内に作業員が入ることができれば、これまで想定しなかった新たな事態が発見されないとは限らない。つまるところ、第一原発の現状は想定以上に深刻であり、工程表通りに事態が沈静化するかどうかは、まだ予測がつかないという状況だと考えた方がいいと思われる。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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