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医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

「腸内細菌」は肥満、動脈硬化、がんの毒にも薬にもなる

阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
【第9回】
腸内には様々な種類の細菌が棲み着いていて、さながらお花畑のようです(写真はイメージ)

「腸内細菌」とは「人や動物の腸の中に棲み着いている細菌」のことです。これが、腸の健康のみならず、人の生体機能全般に大きな影響を与えていることが昨今大変注目されています。腸内細菌の乱れが、風邪や食中毒などの感染症に加えて、アレルギー、肥満、糖尿病、動脈硬化症、そして、がんまでも誘発することがわかってきました。最近の研究では、うつ、自閉症やパーキンソン病など脳に対しても腸内細菌が大きく影響していることが報告されています。今回はアンチエイジングを扱う連載の最後回として、健康長寿を全うするために必要不可欠な腸内細菌とその群生である腸内フローラについて解説します。(北青山Dクリニック院長 阿保義久)

腸内細菌の研究は医学界のホットトピック
「人が細菌に寄生している」という考え方まで生まれる

 人の腸内には回腸(小腸の末端)から大腸にかけて様々な種類が種別にまとまってビッシリと腸内の壁面に生息しています。数にして100~1000兆個、3万種類、質量にして2㎏にもなります。細菌は1個の細胞から成り立っていますが、人の身体の細胞数は60兆個程度ですので、腸内細菌の細胞数の方が人の細胞数よりもはるかに多いということになります。

 その様子は、植物が群生している「お花畑」に例えられて「腸内フローラ」と表現されます。

 腸内フローラの研究はここ数年の間に大きく発展しています。遺伝子研究とコンピューターの発達により、腸内細菌の大規模な遺伝子解析が行われたことがきっかけで、日進月歩に進歩している医学の中でも急成長している分野の一つになりました。

 研究が発展する過程で、腸内細菌の捉え方も変化しています。例えば、腸内で細菌が人に寄生しているのではなく人が細菌に寄生しているという考え方まで生まれています。寄生関係とまでは言わないまでも、人間と腸内細菌は双方が共生して初めて一つの生命体と言えるでしょう。人間の健康長寿を全うするには腸内細菌と腸内環境の健康を保つことが必要かつ十分かもしれません。

 腸内細菌、腸内フローラの機能について詳しくご説明します。

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阿保義久 Yoshihisa Abo [北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。2000年に北青山Dクリニックを設立し、外科医としてのスキル を生かして日帰り手術を行うほか、病気を作らない予防医療、治癒が可能な段階で早 期発見するための人間ドックの実施、生活の質を高めるためのアンチエイジング療法 まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。
著書にアンチ・エイジング革命(講談社)、『脚と血管のアンチエイジング―下肢静 脈瘤最先端レーザー治療とキレーション療法』(本の泉社)などがある。


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「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

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