ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
消費者のココロのスイッチを押すしかけ

震災が目覚めさせた「絆」「ソーシャル」という新たな感覚で、日本の消費はこう変わる

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【最終回】 2011年5月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 節約、巣篭り、リスク分散・回避、癒し、省エネ、安心・安全――ボストンコンサルティンググループが4月に行った調査では、この6つが震災後の新たな消費トレンドとして見えてきたそうです。

 世の中は変わりました。震災から2ヵ月半あまりの体験により、自分の生き方や人生観そのものさえも変わってしまったという感覚を持った人は、私自身も含め決して少なくありません。今後のマーケティングも、千年に一度の大震災という特殊な経験により大きく変化した消費者の意識に合わせて、その方向性を変えていくことが必要です。

なぜいま、結婚産業が
活況なのか

 その中で今、特需に沸いているのが結婚関連業界です。震災以降、結婚志望者または結婚するカップルが急増しているというのです。実際に大手結婚相談所の「オーネット」では、問い合わせや入会、さらに成婚退会者が昨年の同時期と比べて20%も増加していて、4月の資料請求の数も前年比10~15%増ということです。しかもその特徴として、男性に比べて、女性の数が圧倒的に増えているといいます。

 また楽天市場では震災後、結婚指輪の売り上げが拡大中で、「マリッジリング」のカテゴリー全体の売上高は、震災以降の1ヵ月で前年同期比25%の伸びを見せました。地域別にみると、首都圏在住の成婚者数が多いのが特徴だそうです。

 オーネットは女性の動きが目立つ原因として、「首都圏は直接的な被害を受けたエリアは少なくても、帰宅難民になったり、計画停電などによって震災の影響を受けた人が非常に多く、暗い夜道や部屋で孤独感にさいなまれた女性たちが、安心できる家族の存在を求めている」ということなどをあげています。

 このように、結婚モードに傾く女性が増えているのは、震災を経験したことにより、将来への不安や孤独感からパートナーとの強い“絆”という繋がりを求めているからではないでしょうか? そうした心境の変化の根底にあるのは、先行きの不透明感ゆえの将来に対する不安とともに、震災により人々の間に芽生えた「自分が社会や仲間たちと繋がっていたい」という強い思いです。そこから、“絆”というキーワードが震災後のマーケティングを考える重要なヒントとして浮かび上がってきました。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


消費者のココロのスイッチを押すしかけ

インターネットの影響などで情報があふれ、“広告が届きにくい”時代になったと言われます。そこでマーケティング担当者はどう考え、何をすべきなのか。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

「消費者のココロのスイッチを押すしかけ」

⇒バックナンバー一覧