なぜ登録者100万人の企業チャンネルでも見られない? 数字だけでは読めない“ファン離れ”の兆候
【YouTube総再生回数60億突破】知る人ぞ知る凄腕クリエイターが初めて明かす「圧倒的な企画力」のすべて。企画・マーケティング・クリエイター・営業職 必読のトップYouTube作家&マーケッター、初の著書『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)は、企画に悩む、すべての人に向けてノウハウを初公開している。クリエイティブな仕事の全体像を俯瞰しつつ「見えない条件文」「企画発想技12選」「構成は木」「データとの向き合い方」など、わかりやすく解説。とっつきやすい「お題」も出題され、実演しながら学べる構成にもなっており、学びになるコンテンツが満載だ。現在、約30チャンネルへ企画提供をしており、有名企業のコンサルティングやアドバイザーなどを行っている著者が、そのノウハウを「PDCA(計画・実行・評価・改善)式にわかりやすく解説した本書から、一部を抜粋・編集したものをお送りする。

【数字のウラ側】企業チャンネルで1億回再生されても、“本当の成功”とは言えない理由Photo: Adobe Stock

企業チャンネルが“伸びている”理由とは?

あえてお伝えしたいのが、方程式を探す際に指標とする「再生回数」は、あくまでも1つの目安に過ぎないということだ。

大手メーカーの企業チャンネルをベースに、より詳しく説明することにしよう。企業チャンネルには100万回以上再生されている動画がいくつもあり、なかには1億回を超える再生回数のものもある。

チャンネル登録者数が30万人ほどにもかかわらず、再生回数が100万、200万、なかには1億を超えているからといって、「これが伸びる企画なんだな」と判断するのは早計なのだ。

再生回数の裏にある「広告再生」

もうお気づきの人がいるかもしれないが、この企業チャンネルは、実は制作した動画にお金をかけて「広告」として回している

YouTubeでは、有料プランでない限り、動画を再生すると自動的に広告が現れるので、広告の再生回数も動画再生回数としてカウントされるのだ。

“再生回数至上主義”の落とし穴

そのため、やみくもに再生回数至上主義になってしまうと、“間違った伸びた理由”を探してしまうことになりかねない。

再生回数だけでなく、ほかの側面からも分析する必要がある。

チャンネル登録者数と「いいね」から見えること

では、どうすればよいのか?

たとえば、チャンネル登録者数が10万人で、「いいね」が平均2万件以上ついて、再生回数が平均8万回程度だったとする。

「いいね」や再生回数だけ見れば、そこそこ伸びていると思われるが、「かなりリピーターが多い=コアファンがついている」という仮説が立つ。

登録者が多くても「見られていない」ケースもある

逆に登録者数が100万人で、各動画に「いいね」が平均2万件以上ついていて、再生回数が平均8万回程度だったとする。

先ほどと違うのは、チャンネル登録者数だけだ。

この場合、チャンネル登録者の大半がコンテンツを見ていないことになり、「ファンが離脱している可能性が高い」という仮説が立つ。

数字は「多面的」に見るべし

このように、より多面的に考えることで、数字が表す状況をより的確に判断できるようになる。

これはフェイクニュースや誇大広告など、今後のインターネットリテラシーにも関わる部分なので、頭に入れておくと役立つだろう。

※本稿は、『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。