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ワークス研究所の労働市場最前線

有期雇用者を活用していくために
現場のマネージャーが担うべき役割とは

戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]
【第10回】 2011年5月26日
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 リーマンショックを契機とした世界的な不況によって、非正規社員に対する契約の打ち切り、あるいは中途解除が注目された。おそらく非正規社員の大部分は、雇用契約期間に定めのある有期雇用者であり、そのために非正規社員の雇用が不安定になっていると言われている。このような事態を受け、厚生労働省の審議会でも有期雇用のあり方について見直し作業が進んでいる。

 有期雇用者に対する雇用の安定性については、司法の場において確立されたルールによって、ある程度担保されている。しかし、後で説明するように、そのルールが必ずしも明確でないために、一部の弊害が出ていることも否定できない。

 以下では、有期雇用者に関する実態を紹介したうえで、有期雇用を活用するにあたり、現場マネージャーの役割を考えたい。ここで、現場のマネージャーに注目する理由は、非正規社員の採用や処遇の権限は、人事部ではなく現場のマネージャーに課されている半面、非正規社員の活用方法やリスクについて正確な知識を持ち合わせていないケースがみられるからだ。

 その意味で、有期雇用者の雇用の安定性を考える際に、現場のマネージャーの役割が非常に重要であることを主張したい。

働く側も雇う側も
実は長期雇用を希望している

 本論に入る前に、有期雇用者の雇用はどれだけ安定しているのか、また、有期雇用者自身が雇用の安定性についてどう考えているのか、データを確認しておきたい。

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戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]

(とだ あきひと)2008年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了後、リクルート入社。同年4月より現職。大卒求人倍率調査、雇用の現状などを担当。専門は労働経済学。


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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