ここまでだと「そういう社会もありかな」と思われるかもしれませんが、一方で先端医療には十分な支援ができません。

 たとえば、がんだとわかったとしても、かなり長期間待たないと医師に診てもらえないと聞きます。そのうちに手遅れになる可能性もあります。

 そんなネガティブフィードバックがぐるぐる回っているというのがもし現実だとしたら、それでもまだ、あなたは「デンマークはすごくいい」「住んでみたい」と言えるでしょうか(これはあくまで、僕が想像するデンマークの一面だけを取り上げての見方の一つです。この国の社会のすべての説明にはなっていないことはご容赦願いたいと思います)。

あなたの想像以上に
日本は恵まれている

『枠を壊して自分を生きる。』石黒浩 著 三笠書房刊 1400円+税

 逆に、公共サービスが極端に整備されていないのはアフリカの一部の地域です。水道も電気もない。これはこれで大きな問題です。

 アメリカはスラム街があるので、どちらかと言えばアフリカ型に近い。個人的な見解ですが、スラム街を持っているような国が豊かで住みやすいとはとても思えません。そうした国と日本と、どちらがよい国かは一目瞭然です。

 いずれにせよ、やはりライフラインなどの生活のベースとなる公共サービスは国民が公平に享受できるレベルに達していなければなりません。

 イギリスの『エコノミスト』誌が23項目にわたって163ヵ国を対象に分析し、各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化する「世界平和度指数」があります。これで日本は常にトップ10に入っています。

 上位に入っている他国は、そもそも人口が少なかったり、人口密度が低かったり、あるいは近隣に北朝鮮のような困った国がない、という点に鑑みると、実質的には日本がトップではないか、と僕はひそかに思っています。

 実際、2016年の1位であるアイスランドの人口は約34万人、2位のデンマークは約570万人、3位のオーストリアは約870万人。人口も人口密度も日本とはケタ違いです。

 また、日本が9位であるのに対して(2011年は3位)、フランス46位、イギリス47位、アメリカは103位という結果を見ても、日本の順位の高さは輝いています。