修行期間10年と言われる職人の人材育成の世界が大きく変わってきています(※写真はイメージです)

「修業10年」の壁を易々破る中野表具

 教わるのではなく見て覚える、技は先輩から盗む、すべてOJT、一人前になるまでは最低10年。そんな「職人の人材育成」の世界が大きく変わってきています。

 中野表具(山口県下関市)は襖・障子・掛け軸などの表具を手掛ける店です。手漉き和紙や自然素材を生かした高級品を中心に、建物内装を手がけます。

 表具師もやはり「修業10年」の世界。でも3代目店主の中野泰仁さんが、2013年から「30日間講習(*1) 」を始めました。30日間で見習い10年分の知識と作業経験を積み、開業レベルまで一気に引き上げます。

 なぜそれが可能なのでしょうか?

 中野さんは言います。「しっかりとした技術を持った職人を育成しなければ、この業界に未来はない」「見て覚えろは、結局、自分が苦労して得たものを簡単には教えたくないというだけ」「それを惜しまなければ、短期習得は可能」。

*1 費用70万円の表具コース(30日間)とクロス内装コース(30日間)、10万円の和額・掛軸の表装基礎コース(10日間)がある。