「北朝鮮ミサイル問題」を中国人学生はどう考えているのか写真:労働新聞(電子版)より

緊張感が伝わってくる
朝鮮半島情勢

 現在、遼寧省瀋陽市の一角にて本稿を執筆している。北朝鮮との国境都市・丹東市(遼寧省)から240kmの位置にある。金正恩委員長率いる北朝鮮当局が核実験やミサイル発射など挑発的行為を繰り返す中、朝鮮半島の緊迫感が陸続きでここまで伝わってくる。

「平壌で有事の際には、当然我々がここから発動する。準備はとっくにできている」

 中国人民解放軍の7大軍区の一つ・瀋陽軍区に所属する瀋陽在住の幹部はそう言う。緊張感が増長する。本日4月25日は朝鮮人民軍創建85周年に当たる。国際社会は北朝鮮当局がいつ、どのタイミングで「準備はできている」という6回目の核実験に踏み切るのかを注視している。

「中国人民解放軍の神経を逆撫でするような事態が起きなければいいが」

 平壌の方向を眺めながら、心の中でそう祈るしかない今日この頃である。

北朝鮮の核問題をどう解決するか?
学生らと討論

 先週、遼寧大学国際関係学部で私が担当する大学院生の授業で「北朝鮮の核問題をどう解決するか?」と題したディスカッションを行った。少人数で3時間半、忌憚のない討論ができた。

 私の記憶と感覚からすると、前回中国共産党大会が行われた2012年までは、中国の世論や巷で北朝鮮に関する問題が提起されたり、議論されたりすることは稀だった。官製メディアによるトップダウン型の報道や当局による、“中朝友好”を強調するような声明は発せられていたが、民間や市場がそれに応える動きは相当程度限られていたように思う。