ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
世界のビジネスマンはいま、何を読んでいるのか?
【第7回】 2017年4月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
大原ケイ

「売れてる本」の共通点は「大河ドラマ」っぽさにあった

1
nextpage

ニューヨークと東京を往復し、世界中の書籍コンテンツに精通するリテラリーエージェント大原ケイが、トップエリートたちにいま、読まれている話題の最新ビジネス書を紹介する好評連載。第7回目は、「売れてる本」の共通点について。 

『21世紀の資本』『サピエンス全史』の次にくる本は?

 情報が氾濫し、時代の潮流が見えにくくなっているためだろうか、最近は「大きな話」の本が求められていると感じる。スマホで手軽に読めるように短く簡潔にではなく、複雑な問題を複雑なままに一人の人間が語り尽くすナラティブ、というスタイルで書かれた本だ。

 2014年にトマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)が、そして2015年にユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』(河出書房新社)がアメリカでも評判になった。どちらも原作から英語に翻訳された本(『21世紀』はフランス語、『サピエンス』はヘブライ語)で、tome(トゥーム)と呼ばれるほどの大作(『21世紀』約700ページ、『サピエンス』500ページ弱)にもかかわらず、ベストセラーとなった。

 そして今年に入ってから望まれているのはおそらく今の、そしてこれからの世界情勢をひとつの大きなうねりとして、縦横無尽に英知をあてはめて紡ぎ出す、重厚な大河ドラマのような本ではないだろうか。

 日本国外のニュースといえば、EU離脱を決めたイギリスの「ブレグジット」国民投票、アメリカでのトランプ政権誕生、そしてナショナリズムを掲げる有力候補との一騎打ちになるフランスの大統領選挙など、どういう力が作用しているのか誰かに説明してもらいたくなる出来事が続いている。

 これらは、それぞれの国で起きた別の出来事ではなく、国境を超えた歴史の流れの一部として捉えられている。EUやアメリカの政治問題だけでなく、中東やアフリカ北部で一向に収束する兆しのないイスラム教原理主義者によるテロ、そしてこれらの動きが日本とアジア諸国にどんな影響を与えるのか、これから世界はどの方向に向かってどう変わっていくのか、毎日の断片的なニュースをいくら積み上げても歴史というものが見えてこないことがある。こういう場合はやはり広い見識を持った歴史家が世界を俯瞰して大きなテーマで論じた本が読みたくなるのではないか。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
新・独学術

新・独学術

侍留啓介 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2017年6月

<内容紹介>
「ビジネスに必要な教養」をすべて最速で身につける! 「思考力」「知識」「論理力」「英語力」……仕事に使える知的リソースを最大化する方法とは? 外資系エリートの世界で次々と降りかかる難題を解決するために駆使してきた最も合理的な「頭の強化法」。これが現代ビジネスマンに最も求められる「知性」の磨き方!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍

(POSデータ調べ、6/11~6/17)



大原ケイ
「講談社アメリカ、ランダムハウス講談社などの出版社に勤務、日英両語でベストセラーをウォッチしてきたバイリンガル。2007年にリテラリー・エージェントとして独立。日本の著書を海外の出版社に売り込む傍ら、編集者たちから直々に「これから出る話題のタイトル」の話を聞くのを楽しみとしている。」


世界のビジネスマンはいま、何を読んでいるのか?

「これがいま、世界で売れている話題のビジネス書だ!」
世界中の書籍コンテンツに精通するリテラシーエージェント大原ケイが
トップエリートたちにいま、読まれている話題の最新ビジネス書情報をNYからお届けします。
 

「世界のビジネスマンはいま、何を読んでいるのか?」

⇒バックナンバー一覧