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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国ビジネス成功の秘訣は「野良犬」系民営企業との提携

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第57回】 2011年6月16日
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 やや自慢になってしまうかもしれないが、私は、海外のメディアで中国のパソコン大手レノボ(中国語の社名は聯想)、家電メーカーのハイアールを最も早く取り上げた人間の一人だと自負している。1997、98年頃のレノボはまだ現在の社名ができていなかった。ハイアールも日本でも海外のほかの国でも無名だった。一方、中国の市場を見渡すと、日本家電製品は全盛期が終わりに近づいてはいたものの、まだまだ侮れない存在だった。

 しかし、私はこの2つの会社がいずれは大きく成功し、中国でライバルの日系企業を圧倒するほどに成長するだろうと、この2社を中国企業のスター選手として雑誌、テレビ、新聞などに取り上げた。わずか数年後、その予想が現実となった。レノボとハイアールは中国企業の最先頭を走る会社となり、海外に果敢に進出している。

 後に多くの日本人から「どうしてかなり早い時点でこの2社が勝ち馬になると予測できたのか」と聞かれた。実は、私の秘密はたいしたことではない。企業の現場に行き、時間をかけてその企業を観察していたら、自然とその結論にたどり着いたのだ。

 だが、その予測が当たったことは私にとって大きな励みになった。次の「レノボ」と「ハイアール」を原石段階から掘り起こしたくなる。

 2004年、それまでの数年間の観察をもとに、中国の新興自動車メーカーと呼ばれる奇瑞、長城汽車、哈飛、華晨を相次いで取材した。

 そのうち吉利だけは、02年に台州にある工場を取材したことがある。当時、工場の入口まで迎えに来た同社の軽自動車に、体を押し込むようにしてかろうじて乗り込んだことが今でも記憶に鮮明に残っている。とても窮屈だった。生産現場を見ても、日本の自動車工場の組み立て製造ラインを見慣れた目には、かなりぎこちなさがあった。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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