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香山リカの「こころの復興」で大切なこと
【第10回】 2011年6月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

果たしていま、総理大臣に
強いリーダーシップが必要か

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首相に強いリーダーシップは必要か
国民を希望的な方向へ導くためには

 震災支援と原発処理を混迷させた菅総理大臣に決定的に欠けているのは、強いリーダーシップだと言われています。おそらくメディアは、菅総理辞任後の次の総理に求められる資質も、この強いリーダーシップだと伝えるでしょう。

 総理のリーダーシップには、ある一つの方向に国民を導いていくことが、求められます。ただし、その方向はどこでもいいというわけではありません。おそらく「こうすれば大丈夫」という安心感や希望を与える方向でしょう。

 しかし、現在のような状況下で、国民を希望的な方向へと導くことができるでしょうか。無理にでも安心感を与えるような方向に導こうとするならば、ネガティブな情報を開示していくことが難しくなる恐れがあります。

 「皆さん、日本の未来は大丈夫です。私の言うことを信じてください」

 こう宣言するリーダーが恐らく強いリーダーでしょう。

 しかし、強いリーダーは、楽観できない情報をきちんと開示してくれるでしょうか。

強いリーダーシップと情報の隠蔽は結びつく
バッドニュースを伝えるのもリーダーの責務

 震災以後、多くの国民は真実を伝えてほしいと言っています。

 しかし、真実を伝えようとすると、リーダーは悲観的なことも言わざるを得ません。

 細野首相補佐官は、5月2日の会見でSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)のシミュレーションの公開が遅れたことについて、こんな発言をしました。

 「そうしたものをすべて公開することによって、社会全体にパニックが起こることを懸念したというのが実態であります」

 パニックを防ぐ。情報を隠蔽した人たちの格好の言い訳です。

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香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

1960年北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒業。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。著書に『しがみつかない生き方』『親子という病』など多数。


香山リカの「こころの復興」で大切なこと

震災によって多くの人が衝撃的な体験をし、その傷はいまだ癒されていない。いまなお不安感に苛まれている人。余震や原発事故処理の経過などに神経を尖らせている人。無気力感が続いている人。また、普段以上に張り切っている人。その反応はまちまちだが、現実をはるかに超えた経験をしたことで、多く人が異常事態への反応を示しているのではないだろうか。この連載では、精神科医の香山リカさんが、「こころの異変」にどのように対応し「こころの復興」の上で大切なことは何かについて語る。

「香山リカの「こころの復興」で大切なこと」

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