今後5年間で100億円のコスト削減が可能といい、将来的には1000を超えるシステムの約半分をクラウド化していく計画だ。また、「クラウドへのシステム移行は聖域を設けず全面的に行う。現在は技術的な問題で移行は難しいが、それが解決されるツールが将来的に出てくれば勘定系システムを移行する可能性は十分ある」(BTMU幹部)としているのだ。

 BTMUには他行から問い合わせが引きも切らないといい、クラウドへの移行効果が表れれば、この流れは一気に銀行業界全体に広がる可能性が大きい。

日系ITベンダーには打撃

 この流れを戦々恐々と見ているのが、ITシステムの販売で食ってきた旧来の大手ITベンダーだ。金融系のITサービスは年間で国内約3兆円の市場で、NTTデータ、富士通など上位4社で約10%ずつシェアを持つ。これが貴重な飯の種になってきた。

 一方、アマゾンのクラウドサービスに対抗できる日本のITベンダーは存在しない。NECなどは逆にアマゾンのクラウドを顧客企業に導入する業務を行う「協力企業」にくら替えしたほどだ。

 最も“堅い”とみられていた銀行という得意先の変節は、顧客のIT資産のお守りが食いぶちである国内ITベンダーの収益基盤に大きな風穴を開けたといっても過言ではない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)