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脳疲労が消える最高の休息法
【第3回】 2017年5月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

なぜ「磁気と○○」を使うと、脳疲労が解消するのか?

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睡眠、美容、子育て、集中力、ダイエット、禁煙、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネス。これを日本で最も広めたベストセラー『最高の休息法』に「医師監修の特別音源CD」を付属した実践編が登場した。その名も『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』――。その一部をご紹介しよう。

「頭をスッキリさせる」ための2つの方法

前回の記事では

・脳は「何もしない」でも疲れていく
・脳の疲れはクスリを使わなくても癒やせる

という2点を確認しました。

【参考】
「何もしていないのにダルい…」には、こんな脳科学的メカニズムがあった
http://diamond.jp/articles/-/128202

クスリを使わないのだとすれば、雑念回路であるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の暴走はどうやって抑えるのでしょうか?

注目に値するものは2つあります。1つは最新刊『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』でも全面的に取り扱ったマインドフルネス、そしてもう1つが、脳科学アプローチの典型とも言えるTMS磁気治療です。

TMS(Transcranial Magnetic Stimulation: 経頭蓋磁気刺激)とは、磁気を発生させる特殊な装置を用いて、脳をダイレクトに治療する方法です。日本ではまだごく一部でしか導入されていませんが、薬物中心の精神医療に取って代わる技術として、世界的に注目を集めています。

にわかには信じがたいかもしれませんが、TMSを使って左背外側前頭前野という脳部位の活動を高めると、うつ病の症状はかなり改善します。

たとえば、うつ病の患者さんによく見られる症状に、反芻思考(Rumination)、つまり、過去のことについて「こうしておけばよかった……」などとネガティブな思考を繰り返す傾向があります。

反芻思考はDMNの過剰活動との関連性が指摘されていますが*01、TMSを使ってこの脳回路の活動を直接的に鎮めると、この種の思考の堂々めぐりが軽減されるのです*02。

じつは私のクリニックでも、TMS磁気治療を取り入れています。まだ論文などで公表していないデータではありますが、当院でTMS磁気治療を施した10人ほどの患者さんでは、統計的に有意な倦怠感の改善が見られました。不眠の患者さんについて言えば、ほとんどの例ではっきりと改善の結果が出ています*03。

*01) Sheline, Yvette I., et al. (2009) “The default mode network and self-referential processes in depression.” Proceedings of the National Academy of Sciences 106.6: 1942-1947.
Sheline, Yvette I., et al. (2010) “Resting-state functional MRI in depression unmasks increased connectivity between networks via the dorsal nexus.” Proceedings of the National Academy of Sciences 107.24: 11020-11025.
*02) Liston, Conor, et al. (2014) “Default mode network mechanisms of transcranial magnetic stimulation in depression.” Biological Psychiatry 76.7: 517-526.
*03) いずれも当院プレリミナリーデータによる。Zungうつ病尺度における「倦怠感」項目の変化をTMS磁気治療の前後で比較した結果、倦怠感は36.1%改善し、統計的に有意な低下が見られた(p<0.01)。また、ある特定の期間に受診した患者8例にTMS磁気治療を施したところ、全例で睡眠の改善が見られた。
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久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


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