1月に留任要請したばかり
不可解な解任理由

 トランプがコミー氏を解任した「表向きの理由」は、ヒラリーの「メール問題がらみ」だとされている。

 もう少し詳細に見てみよう。まず、ローゼンスタイン司法副長官が、セッションズ司法長官に、「コミーFBI長官は問題が多い」との書簡を送った。

 具体的に、問題とされたのは以下の点だ。

 まず、コミー氏は16年7月、クリントン氏の行動は「極めて軽率」としながらも、「捜査を終了する」と発表した。今回の書簡で「問題がある」とされたのは、「捜査を終了したこと」でなく、それを「発表したこと」だという。刑事追訴の有無に関する発表は、通常FBI長官ではなく、連邦検察と司法省が行う。

 次に、コミー氏が大統領選挙直前に、ヒラリー・メール問題の「捜査再開」を発表したことも問題とされた。ここでも「捜査再開」ではなく、そのことを「発表」し、「選挙結果に影響を与えたこと」が問題であると指摘している。

 つまり、「トランプが選挙で勝った最大の要因」が「解任理由」だというのだ。

 もちろん、解任する、しないは、「トランプが得をしたか、損をしたか」ではなく、「法に違反したかどうか」で決められるべきだろう。実際、コミー氏の言動は、大統領選前後、民主党からも共和党からも強く批判されていた。だからトランプの判断にも「一理ある」とも言える。

 しかし、問題は「解任の時期」だ。トランプは今年1月6日、コミー氏と会っている。その後、「留任」を依頼し、コミー氏は承諾した。その時解任しておけば、今のような大騒ぎにはならなかっただろう。トランプは、当時バッシングされていたコミー氏を一旦は守ったのに、4ヵ月後に解任した。

 となると、「本当の解任理由」は「ヒラリー・メール問題への対応」ではなく、「ここ4ヵ月で起こった何かではないか?」と誰もが思うだろう。