旅行キャンセルを闇に葬る
社員が明かす恐怖の“裏技”

 サービス残業、休日出勤も当たり前など、岡田さんの職場はブラック要素が満載。そこに、上司からのパワハラも加わる。

「上層部からの圧力はかなりの負担です。仕事でミスをすればとんでもなく怒られるので、異常なほど細心の注意を払っていますよ。それでも、疲れてるから失敗をする、という悪循環が起きています。私も以前、お客様に旅費を間違えて伝えてしまい、代金が足らなかったことがあるのですが、上司に罵倒されるのが嫌で、7万円自腹を切りました…」

 当時の岡田さんの手取りは月収17万ほどだったから、そこから7万円というのはかなりの負担。しかし、ひとたびミスが発覚すれば、長時間の説教はもちろん、ずっとそのミスをネタにされる。この職場では、失敗は許されないのだ。

「うちの会社は売上が低くてもペナルティはないのですが、成績が悪いとあからさまな“お荷物扱い”を受けます。そして、店長から『どうして目標達成できないの?』と、毎日ネチネチ詰められるんです。ただでさえ長時間労働で肉体的にキツいのに、精神的にも追い詰められているんです」

 休みもとれず、居場所がない職場。彼女の同僚のなかには、精神科に通院している社員もいるという。

 こうした上層部のプレッシャーから少しでも逃れるために「キャンセルとなった成約数をごまかす“裏ワザ”があるんです」と、声をひそめる。

「キャンセルとなった旅行を“成立したように見せる”裏ワザがいくつかあります。たとえば、退職予定の社員Bに、キャンセルされた旅行の担当者になってもらう方法です。キャンセル処理をせずに担当替えをしておくと、Bが退職する際にIDとともに旅行予約そのものが消滅するんです。これが常套手段ですね」

 店舗スタッフにはこの裏ワザが横行しているため、実際にどれくらいの旅行がキャンセルになっているのか、上層部はもちろん誰も把握できていないという。

「この裏ワザのせいで会社が潰れなければいいな、とは思いますが、正直日々の仕事が膨大すぎてそれどころじゃないです……」