手取り額は、1999年には290万円あったのが、2016年は257万円。なんと17年間で33万円も減っている!年金生活者のデモ行進が起こってもおかしくないくらいの減り方である。

 原因は、税金と社会保険料の負担アップである。グラフの内訳を見ると、1999年は介護保険が導入されていなかったので、「使えないお金」は国民健康保険料が10万円程度だけ。今より高齢者向けの税金優遇もあり、所得税・住民税はかからなかった。

 しかし、現在は介護保険料もかかり(介護保険は2000年に導入)、国民健康保険料はアップし、高齢者向けの税優遇は廃止・縮小され(老年者控除の廃止、公的年金控除の縮小)、所得税・住民税がかかるようになった。グラフの試算は、東京23区に住んでいる人の例だが、社会保険料が30万円、所得税と住民税は合計で13万円かかる計算となっている。

 今回は怖いグラフの3連発だったため、暗い気持ちにさせてしまったかもしれない。しかし、少子高齢化が進み、「年金額は徐々に減少、高齢者でも税金と社会保険料はこれからも負担増が続く」という流れはこれからも続くだろう。考えたくない現実かもしれないが、働いている間にぜひ知っておいてほしい。「老後は何とかなる」と思ってはいけない。「何とかする」と思えるように、マネースキルを身に付けていこう。

((株)生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)