近ごろ、夜の街では「派遣のキャバクラ嬢」が増えているという。特定の店には在籍せず、好きなときに好きな店へ出向き、日払いの給料をもらって帰る。ノルマもなければ残業もなく、ストーカーにつきまとわれるリスクも少ない。一見お気楽な働き方だが、その世界にはその世界なりの苦労もあるようだ。(フリーライター 岡林敬太)
年々増加している
派遣キャバクラ嬢
キャバクラ派遣会社。夜の世界で働く女性にとってはおなじみの言葉だが、多くの男性にとっては初耳なのではないだろうか。
在籍の子だけでは店が回らなくなることが、キャバクラにはよくある。週末、新規オープン、バースデーイベントの日、あるいは学生のキャバ嬢が就職で大量離脱する時期などだ。そんなときに“数合わせ要員”を調達してくれるのが、キャバクラ派遣会社である。
キャバ嬢を派遣する会社は全国に数多く存在し、そこへ登録する女性も年々増えているという。
以前は歌舞伎町の人気キャバクラに在籍していたが、現在は派遣のキャバ嬢として、関東のいろんな店を転々としながら働いているA子さん(29)が語る。
「私が水商売の世界に入った8年前と比べて、派遣のキャバ嬢は増えていますね。現状、キャバ嬢の約1割は派遣なんじゃないでしょうか。キャバクラ派遣会社はネットで探せば山ほど出てきます。登録は、いたって簡単。電話をかけてから派遣会社へ面接に行き、写真を撮ってもらい、名前、住所、働けるエリアなどを書くだけです」
面接では、水商売経験や、働きたくない店を聞かれるほか、「当日欠勤はしないように」などの説明を受ける。その後、ルックス・年齢・経験・性格の総合評価で、派遣会社が女性をランク分けするようだ。