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乳がんの薬が胃がんにも
進行・再発患者に朗報
分子標的薬─トラスツズマブ

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第52回】

 昨年1月の欧州、10月の米国に続き今年3月、ようやく日本でも「トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)」が「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃がん」の治療薬として承認された。

 トラスツズマブはもともと乳がんの治療薬として開発された分子標的薬だ。治療手段を断たれたHER2陽性の末期乳がん患者に対し、劇的な治療効果を示した「希望の薬」として知られている。胃がんへの適応拡大の根拠となった試験では、HER2を持つ進行・再発胃がん患者に既存の抗がん剤とトラスツズマブを投与すると、抗がん剤のみの場合よりも、明らかに生存期間が伸びた。

 2000年頃から世に出回り始めた新しい発想の抗がん剤──分子標的薬は、無差別攻撃型の既存の抗がん剤に対し、がん細胞特有の分子を狙ってピンポイント攻撃を繰り返す薬である。ターゲット分子が共通していれば、胃がんだろうが乳がんだろうが治療効果を発揮する。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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