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エコカー大戦争!

日本のモノづくりの常識は通じない!
わが道を行く中国発“超小型電気自動車”革命

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第84回】 2011年7月11日
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 北京駐在2年目の日系自動車メーカー関係者がこう漏らす。

 「年初の想定以上に大きく販売が落ち込んでいる」。

日曜でも大渋滞の北京中心部。現地にいると、新車の販売規制も致し方ないと感じる。

 北京市は渋滞緩和と排気ガス対策のため、新車販売の総量規制を行っており、抽選方式による新車購入政策が始まっている。だが、抽選で当選した人のうち実際に新車を購入する人は2割程度とかなり低い。その理由は、ひとつの家族で全員が応募するなどしての重複当選が多いからだ。また、購入権利の転売目当てでの応募が多いが、権利転売は事実上不可能だ。この新車購入政策は、早期の見直しが必要だろう。

 こうした中国の首都・北京での販売不振と東日本大震災での部品供給不足により、中国での2011年上期(中国では1~6月)の全需は当初予想を大幅に下回り、前年同期比で微増にとどまる見込みだ。2011年の全需については「2000万台は厳しいかもしれない」(同関係者)との声も聞こえてくる。

 しかし、新車販売量が制限されても、北京市内の慢性的渋滞はまったく解消される見込みはない。平日のラッシュ時は市街北部から北京駅や天安門までのたった5km程度の移動に1時間以上かかる状態だ。市街地のほとんどでトローリーバスと一般バスの専用レーンはなく、乗用車やタクシーとゴチャゴチャの状態で渋滞している。

 こうした中、多くの庶民は地下鉄、あるいは電動バイク・自転車での移動に依存しているようだ。地下鉄は、2008年北京オリンピック開催時の4路線から現在13路線にまで拡大した。電動バイクは中国全土でここ数年は年間約2000万台が販売され、累計で1億台を突破している。

 北京市街には電動バイク・自転車専用レーンがあり、目視で確認する限り、電動バイクと自転車の割合は50/50というイメージだ。また、同市街の電動バイク販売会社・騎士在銭のカタログを見ると、168種類の電動バイクが載っている。価格は1000元(1元15円計算で1万5000円)~3000元(4万5000円)ほどだ。電池は低価格車は鉛蓄電池、高価格車ではリン酸鉄系のリチウムイオン二次電池を搭載している。

 さて、今回北京を訪れたのは、第7回北京国際純電動車、混合動力車展覧会(The 7th International ElectricVehicle Exhibition Beijing: Clean Energy Automobiles and their parts)を取材するためだ。展覧会の開催場所は、市街北部の国際展覧中心・老館。ちなみに、同新館は北京市街から30kmほど北西の北京国際空港の近くにあり、近年はここで北京モーターショーが行われている。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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