「女性管理職は会社に対する感謝の気持ちが強い。しかし、男性管理職と比べて部下とのコミュニケーションが難しいと感じていて、プライベートのストレスは高め」。こんなアンケート結果を、第一生命経済研究所が発表した。

 アンケートの目的は、2008年3月にまとめられた「第2次男女共同参画基本計画」で2020年までに管理職などの指導的立場に占める女性の割合を30%程度にするという目標に向け、その現状と課題を分析すること。平成21年度雇用均等基本調査によれば、女性管理職の割合は課長相当職で5.0%、部長相当職で3.1%。国連の調査による、日本のジェンダーエンパワーメント指数(GME)の順位は109ヵ国中57位だ。

 アンケートは、2010年9月27日から28日かけて、インターネット調査会社であるクロス・マーケティング(東京都中央区)のモニター900人(20~60代の男女正社員900人)に実施。内訳は、女性管理職300人、男性管理職200人、女性一般職200人、男性一般職200人。女性管理職に見られる傾向を分析した。

女性管理職「満足」は約8割
一般職男女、男性管理職より高い結果に

 調査によれば、「会社と自分には、信頼関係がある」と答えた女性管理職は75.0%で、男性管理職(61.5%)、男性一般職(43.0)%、女性一般職(48.5%)と比べて高い結果に。

 これ以外でも、「自分は会社に貢献したいと思う」「自分は会社に感謝している」「自分は会社に対して帰属意識がある」「会社は自分を理解または配慮してくれると思う」「自分は会社に行くのが好きだ」「会社は社員の声に耳を傾けるほうだと思う」「会社には一体感・まとまりがあると感じている」「会社は自分の個人的な問題やトラブルにも対処してくれると思う」「会社はいざというとき自分を守ってくれると思う」といった、「会社組織に対する考え方」を聞く設問のすべてで、女性管理職は他3つの属性よりも「そう思う」と回答した人の割合が多かった。

 さらに、現在の仕事の満足度を聞く質問では、「非常に満足している」と答えた割合が最も高く、「非常に満足している」「まあ満足している」と答えた割合は8割を超えた(男性管理職=75.5%、男性一般職=59.0%、女性管理職=81.4%、女性一般職=64.5%)。

志望者はわずか2割!?<br />なぜ女性管理職は“憧れの存在”になれないのか