旬な素材で、油や砂糖を多用しない
江戸時代の料理はまさに健康食
世界が認めるヘルシーフードとして、日本食(和食)が注目されています。
特に日本の旅館の、代表的な朝食メニュー(ご飯、味噌汁、焼き魚、豆腐、野菜の副菜、海苔、漬物)は完璧なバランス食であると発表されてからは、国内でも朝食を和食にする方が増えているようです。
和食の基礎が確立されたのは、江戸時代のことです。
長く続いた戦乱の世が終わり、庶民が食事を楽しめるようになったことが、料理文化の発展につながりました。
【材料】木綿豆腐…1丁/葱の小口切り…適量/山葵の千切り…適量/大根おろし…適量/ごま油…大さじ2/醤油…大さじ2
【作り方】①木綿豆腐をペーパータオルで包み、電子レンジで3分加熱して水切りをする。②鍋にごま油を熱し、1の豆腐をくずしながら入れ、炒める。③全体に油が回ったらしょうゆと葱を加えてサッと炒め、器に盛って大根おろしと 山葵を乗せる。
※生わさびと大根おろしの代わりに、貝割れ菜と削りがつおを乗せても。
また、照明用の油の普及で就寝時間が遅くなり、それまで朝夕二度だった食事が、昼を入れて三度になったことも大きく関係しています。昼食を食べに帰るのが面倒な人々のために、屋台や料理屋などの外食産業が栄えました。
さらに江戸時代中期、関東で発明された濃口醤油が日本全土に流通するに至り、現在私たちが認識する和食の形が成立しました。それが証拠に、世界的に日本料理の代表とされる、寿司、天麩羅、すき焼き、しゃぶしゃぶ、鰻、蕎麦…といったメニューには、全て濃口醤油が使われています。
また、江戸時代の料理はとても健康的です。その理由としては、
・冷蔵技術がなかったため、栄養価の高い旬の食材を使う
・砂糖と油が高価であったため、メタボの大敵であるこれらの調味料をあまり使わない
・原則的に肉食が禁じられていたため、野菜と魚介類を中心としたメニューになる
といったことが考えられます。