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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーではインターネットバブルがすでに始まっている

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第47回】 2011年7月28日
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 このところシリコンバレーは賑やかである。ここに本拠を置くベンチャーが続々とIPO(上場)に成功しそうな雰囲気が漂っているからだ。

 先月、SNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)のLinkedInが89億ドル(約7100億円)で上場した。近々ゲームのZyngaが上場する噂である。では次はどこか?FacebookかTwitterか? 憶測が憶測を呼び、途方もない高値が飛び交っている。

 筆者は1996年にシリコンバレーに来た。丁度インターネットブームの始まりの時期だった。Netscapeが最初のブラウザを世の中に出し、Yahooが検索エンジンを世に問うた直後だった。「これからはインターネットがあれば何でも出来る。もう店舗(Brick & Mortal)は要らない」が合言葉だった。インターネット上で出来る商売を次々に考え出し、多くのベンチャーが誕生した。

 しばらくして、事は「そう単純でない」ことが分かってきた。物流の絡む商売では物流センターを建てなければならない。配送する輸送手段も確保しなければならない。商品の出口の部分がインターネットであっても、そのほかは普通の商売と変わらない。物流センターやインフラ投資に膨大な資金を投入し、長期間赤字決算を押し通して、辛うじて生き延びたのはAmazonだけだった。それも黒字化を果たしたのは設立後8年経った2005年であった。

 では、物流の絡まないインターネット上のサービス業はどうやって収入を得るのだ?ウェブサイトへのアクセス数が多ければ広告で収入を得ることが可能だ。多くのベンチャーは広告収入をあてにしたビジネスモデルで商売を拡大しようとした。だが、世の中はそうは甘くなかった。当時インターネット広告は少なかったし、運よく広告主に辿りつけたとしても収入は微々たるものだった。殆んどのベンチャーは2000年代初頭に姿を消した。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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